新人店長は「退職面接」で最後の本音から改善点を学ぼう - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
店長育成・販売促進ナビゲーター

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対象:人材育成

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新人店長は「退職面接」で最後の本音から改善点を学ぼう

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「本当は辞めたくなかったんです。けれど、私はリーダーのAさんから嫌われています。リーダーから嫌われたらもうやっては行けません。お世話になりました。」

入社して1ヶ月の大学生バイトのBさん。彼女が辞めると言う話を聴き、店長は最後の面談をしました。その席上で店長がなぜ辞めるのかと尋ねたところ、彼女はこのように答えたのです。

パート・アルバイトが店を途中で辞めてしまう理由の大半は、こう言う人間関係の問題です。さらに、その人間関係の問題の多くは「勘違い」だったり「思い過ごし」「思い込み」だったりするのです。そして、そのほとんどが「コミュニケーションの量」の不足が原因で発生しています。もちろん、質も問題があるのですが、なによりも決定的に量が少ないのです。だから、発生してしまったギャップをリカバリーできないのです。また、コミュニケーション量が少ないために、ギャップの発生そのものに気がつかないのです。悲しいですね。

この店でも、Bさんが退職意向を示すまでには、何らかの兆候がそこにはあったはずです。しかし、「辞めます」と言うまで誰も気がつきませんでした。何となくおかしいなと思っていても、だれもそれを知ろうとはしませんでした。スタッフのBさんが、リーダーのAさんから嫌われていると思ってしまった原因は単純です。Aさんは、Bさんの仕事ぶりや作業レベルについて気がついた事を、直接の担当者であるスタッフを通じてBさんに伝えていました。Aさんからすれば、トレーニング担当者の頭越しでは伝えたくなかっただけのことでした。しかし、直接言われなかったことでBさんは、リーダーであるAさんに嫌われていると思い込んでしまったのです。まさに、「勘違い」「思い違い」ですよね。

しかし、Bさんが、辞めると言ったときはもう気持ちは固まってしまっており、残念ながら慰留は出来ませんでした。ただ、この退職面接のお陰で店長とAさんは、原因のひとつを把握し、もっと直接のコミュニケーションを増やそうと改善を決意しました。退職に至るような問題でもその原因は、ほんのささいなことだったりします。でも、それを掴めないといつまでも同じ問題が繰り返されます。退職時には、全てではなくても少しくらいは本音を言ってくれます。そこから、あなたの店がもっと良くなるためのヒントを探しましょう。

では、参考までに退職面接でスタッフに本音を聴く方法を紹介しておきましょう。
「今日まで働いて下さって、ありがとうございました。あなたが去って行くのとても残念なのですが、あなたの意見を参考にもっと良い店にして行きたいと思っています。なので、3つだけ教えて下さい。ひとつ目は、あなたが辞める『きっかけ』になったこと、一番最初にそう思った、だれかの発言や行動や決まり事などです。ふたつ目は、辞めようと決心した『決め手』になったこと。『きっかけ』と似てはいますが、最後に決心した決定的な要因です。みっつ目は、あなたがこの店に『期待』していたのに『期待』通りではなかったこと。この3つを教えて下さい。」これが最後の聴き方の例です。ご参考まで。

期待と希望を持ってあなたの店の門を叩いたパート・アルバイトの応募者がいました。そして、その人は採用され、一緒に働き始めました。でも、あなたと、そのスタッフとの間に徐々にギャップが生まれてきました。あなたがいち早くそのことに気がついていれば、ギャップが大きくなる前に溝を埋めることが出来たかも知れません。しかし、残念なことにあなたは気がつきませんでした。そして、スタッフはあなたの店を「辞める」決心をします。

あなたは悔やんでも悔やみきれないかも知れません。しかし、あなたの店は明日からも営業を続けます。お客様が期待を持って訪れます。そして、そのお客様をお迎えするたくさんのスタッフがいます。もうこれ以上、スタッフを失いたくはありませんよね。だったら最後のチャンスです。辞めていくスタッフに教えてもらいましょう。何が「辞める決め手」だったのかを。

あなたが素直な気持ちで尋ねれば、きっと本音を教えてくれることでしょう。

このブログを書いていたら、昔、私の店を辞めていったスタッフの顔が浮かんできて涙が出てきました。ああすればよかった。こうしておけばよかった。そんな想いがいっぱい浮かんできました。若い頃のことですけどね。

 

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