第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(12) - 刑事事件・犯罪全般 - 専門家プロファイル

羽柴 駿
番町法律事務所 
東京都
弁護士

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対象:刑事事件・犯罪

羽柴 駿
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(弁護士)
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閲覧数順 2016年12月02日更新

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第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(12)

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(第12回)

 被告人質問でY運転手は、事故直前にターンのため後進しながら右折した時は運転席(車体の前部右側)の窓を開けて首を外に出して右後ろを見ながら後進したこと、ガードマンは笛をピッピッと短く吹きながら誘導したこと、右の塀の角を右後輪が通過するまではタイヤのあたりを見ていたが通過してからは首を引っ込めて停まったこと、この後進の際も被害者には気づかなかったこと、発進するときに右サイドミラーを見たが人の姿は映っていなかったこと、発進したときからは前方やや左を見て運転していたが、右前方も視野に入っているので、子供がいれば分かったはずであること等を訥々と語りました。
 被告人質問を終えると、裁判官は「被害者が事故に遭うまでの足跡はどのようなコースだったのですか。それによって被告人の注意義務の内容が違ってくると思うので明らかにしてください」と検察官に釈明を求めました。
 この裁判官の発言はまさしく、私が第一回公判の冒頭で検察官に釈明を求めた点であり、この事件を解決するキーポイントであったので、裁判官が弁護人の主張に耳を傾けていると、私は内心嬉しく思いました。検察官は、次回までに明らかにすると答えただけでした。しかし、閉廷後もっと驚く事が待っていました。

                                 (次回へ続く)