第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(8) - 刑事事件・犯罪全般 - 専門家プロファイル

羽柴 駿
番町法律事務所 
東京都
弁護士

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対象:刑事事件・犯罪

羽柴 駿
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(弁護士)
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(8)

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(第8回)                      

 こうして開示された記録を検討する傍ら、私は工事現場監督のBさんとガードマンのCさんに直接会って話を聞く事が出来ました。
 そこで私はBさんから、K子ちゃんがブロック塀の陰から飛び出したのがダンプカーの発進の時ではなく、発進して2〜3秒してからだということを新たに聞く事が出来ました。
 これは、事故が警察、検察が考えている発進時に起きたのではなく、進行中の車の直前への飛び出しによって起きたことを示す重要な証言でした。
 またCさんの話では、ダンプカーがターンする為に後進右折して一旦停止した時のK子ちゃんの位置が、事故の直後の実況見分の際、Cさんが指示した地点(図4ア地点)よりもっと後ろだったこと、その時Cさんは、ダンプカーがこれ以上後退しないので女の子に危険はないと判断し、それ以後は女の子の動静に注意しなかったこと等の事実を新しく確認することができました。(Cさんの位置は甲地点)
 このCさんの話を聞いて私は、この事故の原因の一つがCさんの不注意にあるのではないかと感じました。Cさんが、幼児である被害者を見たのに危険はないと判断して何もしなかったことや、その後の被害者の行動に全く注意を払わなかった事は、車両の誘導に当たるものとしては明らかに不注意だったのではないか。もし、そのとき一言でも被害者に「危ないからそこにいるように」と注意してあげていたら、この事故は起こらなかったのではないか。警察はこのCさんの行動に問題がなかったのかどうかも捜査すべきだったのに、なぜそうしなかったのか。そんな疑問が湧いてきました。
                                
                                  (次回へ続く)