寺岡 孝(お金と住まいの専門家)- コラム「投資マンションにカモられた人の出口戦略」 - 専門家プロファイル

寺岡 孝
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寺岡 孝

テラオカ タカシ
( 東京都 / お金と住まいの専門家 )
アネシスプランニング株式会社 代表取締役
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投資マンションにカモられた人の出口戦略

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2017-01-13 10:00

勧められるがままに買ってしまった人たちの処方箋は?

誘うだけ誘っておいて出口はなかなか教えてもらえない不動産投資の世界。

サラリーマンに不動産投資を副業として勧めるがそう簡単に資産形成ができないのが実情である。

では、これまでに勧められるがままに買ったしまった人たちには処方箋があるのだろうか。

不動産業が儲かる仕組みを通して、サラリーマンの副業としての不動産投資の出口を見出してみたい。

 

 

不動産会社の儲けの構造

相談にこられたある女性の話。彼女は病院勤めの看護師で、投資用のワンルームマンションを2戸購入していた。

妙齢のマンションオーナーであり、不動産投資家であるわけです。

彼女の投資の内容を見てみると、実は、マンションを購入した借入金で身動きが取れない状態で、マンションオーナーや投資家は表向きの顔。実際は“借金まみれ”というわけだった。

その彼女は不動産会社からマンションを高値で買っており、月々のローンの支払いと管理費などの付帯する費用などが家賃収入を上回ってしまうため、毎月赤字で持ち出しを余儀なくされている。

そのため、黒字でインカムゲインが発生するのはローンを払い終わる30年後。そこまで待たなくてはいけないわけだ。

このあたりのことをよくわかっている不動産会社は「30年後は年金代りになりますよ」と。

しかしながら、「よく考えてみてください。30年の間に物件は古くなりますから家賃は下落するでしょうし、いまは低いローン金利も将来はどうなるかわかりません。」

また、「景気に連動して不動産の市況も変化するはずですし、そもそも日本は地震などの自然災害が多い国ですから、建物がいつ壊れてしまうのかわかりません。」

といろいろと説明はしたものの彼女の心情は「30年後は年金代りになりますよ」という言葉を信じていた。

つまり、彼女の出口戦略は結局30年後の話で、早期売却などの対策は全く考えていなかった。

こうした心情は自分の買い物は間違えがないと思いたいあらわれだが、実態は30年間に考え得るリスクは枚挙に遑がないわけです。

それらのリスク要因がなにも加味されていないのに、不動産会社は「安定した利益が出ます」と・・・

いわゆる投資の基本は「安く買って高く売り、キャピタルゲイン(売却益)を得る。

これにプラスしてインカムゲインを得る期間を決める」ことが前提。その基本が最初から無視されているのが不動産投資の現状のようだ。

投資用マンションを高く買った彼女は、結果的に安く売ることになるはず。

それではインカムゲイン(運用益)もキャピタルゲインも得ることができず、儲かるのは物件を販売したり管理する不動産会社だけという構図と言えるだろう。

 

売買から管理委託まで行うことで儲かる

アパートやマンションなどの賃貸管理会社の仕事は地味だが、着実に儲かる仕組みになっている。

賃貸管理会社は賃貸物件の購入者、つまり賃貸物件のオーナーから管理委託を受ける。

管理委託料は賃料の3〜5%程度で10万円の家賃なら5,000円程度。入居者がいれば、1年で6万円の管理委託料が入ってくる。

入居者の入れ替わりがあった場合、退出時には部屋のクリーニングや壁のクロスの貼り替えなど修繕、そして、賃貸管理会社が不動産業者を兼ねていれば入居者の斡旋、仲介手数料と敷金や礼金がそれぞれ入ってくる。

入居募集に関しての仲介手数料は家賃1カ月分を入居者からもらっているが、本来、賃貸借の仲介手数料はオーナー(貸主)と入居者(借主)それぞれから賃料の0.5ヶ月分以内と法で規定している。

しかしながら、依頼者の承諾がある場合はいずれか一方から賃料1カ月分以内を受けることができるともあり、慣習的には貸主、借主が承諾したことにして入居者がまるまる1カ月分を仲介手数料として払っているのが現実である。

また、賃貸管理会社はオーナーからも広告料などと名目をつけて1カ月分貰っている。

したがって、家賃10万円の物件なら新しい入居者が入居すると、それにともなって仲介手数料等で20万円が入ってくる仕組みだ。

不動産業者兼任の賃貸管理会社としては適度に入れ替えがあったほうが実入りがいいわけであるが、空室期間が続くと所有者が怒り、修繕回数が増えるのも建物にとってよくはない。

賃貸管理会社の収益のメインは管理委託の手数料。

例えば、1戸当たり1年間で管理委託料が6万円だとすると、100戸あれば600万円、1,000戸あれば6,000万円。

街の小さな不動産屋でも1,000戸くらい管理している会社は相当数存在し、5〜6人の社員で2〜3,000戸を管理している会社もある。

前述のように30年間は所有すると言われたマンションオーナーの物件をその間、管理委託すれば相当な金額となることは理解できるだろう。

加えて修繕のマージンや入れ替えに伴う手数料が入るので、手間はかかるが、日銭が入るビジネスなので賃貸を専門にやっている不動産業者兼任の賃貸管理会社には経営が安定するメリットがある。

ある意味、お客さまを探す必要がなく、賃料を回収すればいい。但し、入居者が賃料を払ってくれないと、法的な手だてを使ったりして回収しないといけないので、面倒は起こりえるが、それでも基本的に戸数が増えればそれだけ儲かるビジネスというわけだ。

 

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