- 岩井美樹
- 有限会社リリアプロジェクト コミュニケーションプランナー
- 福岡県
- コピーライター
対象:文章制作・編集
- すずき かずたか
- (絵本作家・絵本作成出版代行者)
意外に知っているようで知らない、エネルギーの話をしましょう。北欧、特にデンマークはエコやエネルギーに対して前向きに取り組んでいる エネルギー先進国。まさに資源の少ないデンマークから学ぶことがたくさんあります。
日本とデンマークの環境比べ
まずは環境について。デンマークの国の大きさは九州程度、人口は福岡県くらいです。日本には3千メートル級の富士山を筆頭に高い山が無数にありますが、 デンマークの最高峰はイディング・スコウホイといい、海抜たったの173メートルです。平坦な土地では水力発電はできません。日本はそれだけでも高い発電力の可能性を有しています。
エネルギー自給率は150%!
驚きの事実を。日本のエネルギー自給率(原子力発電を省く)は、わずか4%です。エネルギー自給率とは、自分の国 で発電などをまかなっていることを指します。水力発電も原子力発電も持たないデンマークのエネルギー自給率は現在150%です。しかも、1972年までは わずか1.8%、石油依存度も約90%と、当時は日本とほとんど変わらない現状でした。
しかし今では、2050年には、化石系燃料にまったく依存しない国を目 指すなど、家庭などから排出される廃棄物によるエネルギー回収(再生エネルギー)は世界屈指。コジェネレーション・システムによって、発電や地域へ熱の供給を行って、世界を率先しています。
「エネルギー資源がない」は理由にならない
自国のエネルギー政策を選ぶとき、いくつかのターニングポイントがあります。もちろんデンマークでも70年代の石油ショック後は、原子力発電の導入計画 を立て、2年間話し合いをした上、85年に原発を放棄しました。万が一のことがあっては取り返しの付かないことになるという危機意識があったそうです。この力は近隣諸国までにも及び、スウェーデン民営の原発の閉鎖にも影響しています。
また、97年、デンマークはエネルギー自給率を100%にしました。エネルギー消費量を抑え、北海油田の開発を行い、さらに風力発電とバイオマス発電を進めてきました。EUでは現在、第2の石油産出国ですが、石油依存度は日本(約 50%)よりも低いのです。
写真) 世界最大の稼働中の洋上ウィンドファーム。風力発電はデンマーク国内電力消費量の約10%を担う。
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