スルガ銀行と日本IBMの裁判について
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中小企業診断士の長谷川進です。おはようございます。
今日はプロジェクトマネジメントについてのお話です。
勘定系システムの開発失敗を巡る、スルガ銀行と日本IBMの裁判に判決が出ました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120329/388219/
結果は日本IBMに74億円超の賠償命令ということで、IBM側に厳しい判決となりました。
私も以前からこの裁判には少なからず注目していましたが、どうなんでしょうかね。この裁判結果は。
当然IBM側は控訴することになるでしょう。
別に私は日本IBM側に肩入れするわけではありませんが、この裁判結果にはちょっと驚きました。
確かに裁判として、事実や証言から論理的に結論を導き出すと、「プロジェクトマネジメントができていなかった」という結論になってしまうのかもしれません。
しかし、現実のITビジネスの現場では、このような論理的な世界ばかりではないのが現実。
確立されたプロジェクトマネジメント手法をベースにして、非論理的な世界もコントロールすることが求められることが多々あります。
今回のような大規模プロジェクトともなれば、受注金額も大きいので、営業サイドの意向や上層部の意向など、様々な思惑も絡んできます。
私もIBM時代、金融のシステム開発部門にいたことがありますので、今回の裁判で証言されている厳しい世界が想像できます。
今回の裁判結果により、今まで以上にビジネス現場における、プロジェクトマネジメントに対するハードルが高くなるかもしれません。
提案から始まるプロジェクトマネジメントプロセスの強化、リスク管理の強化、見積もり時の余裕率の見直しなど。
今回の判決は、中小ITベンダーにとっても他人事ではありませんね。
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