今月の「働く女性のための相談室」はひとつの職場に長く勤めることについて
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先日、コロナ禍になって初めてのリアル研修を行いました。ずっとZoomで対応していたので、すっかり勝手を忘れ久しぶりにものすごく緊張しましたが、その分終わった後の充実感は格別でした
やっぱりリアルはいいですね。手ごたえが全然違います。オンラインにもよさはあるのですが、講師をするならリアルのほうが好き、でも、会場設営や資料作成など事前準備や前後の移動時間などを考えるとオンラインのほうが手軽にできることもわかっているので、一概にはどちらがいいとは言えないんですよね。
さて、小さな月刊誌『PHPスペシャル』、今月の特集は”「ひとり」の楽しみ方”。カウンセリングでもひとりを怖れている方は多いです。
でも、ひとりは寂しいから誰かといたいというのは、ひとりではいられないから誰かに満たしてほしい、つまり依存関係を求めていることになりかねません。ひとりでも大丈夫だけど誰かといるともっといい、であれば健全です。
誤解が多いのは、ひとり=孤独=惨めだという思いこみです。物理的にひとりでいても、その人が寂しいと思っているとはかぎりません。家族や友人に囲まれていても寂しさを抱えている人はたくさんいます。他人からどう見られているかとその人の心が満たされているかどうかは関係ありません。もっと言えば、誰でも人は孤独なんです。
それから、「楽しい」という表現も誤解をうみやすいのですが、毎日が楽しいだなんて、ひとりだろうがふたりだろうが、あまり現実的ではないですよね。私自身、ひとりは好きですが、「毎日楽しい!」というわけではなく、ひとりで好きに暮らせて気楽だなあというかんじです。
つまり、毎日ワクワク楽しいわけでもないけど、特に寂しくなく悪くなく過ごせていればOKくらいのイメージがいいように思います。
さて、私の連載「働く女性のための相談室」ですが、今月のお悩みは、同じ会社に長く勤めているのは時代遅れではないかというものです。
今回のご相談者は勤続15年とのことなので、新卒入社ならまだ30代でアラフォー、将来について迷う年頃ですよね。
かの有名なユング先生は、40歳頃を人生の折り返し地点の意味で「人生の正午」と呼び、その時期を「中年の危機」と名づけました。今の時代では50歳くらいに相当するかもしれませんが、気力体力が落ちてきて価値観の転換を余儀なくされる時期だと言えるでしょう。
偶然ですが、私も会社員をやめて心理の世界に飛び込んだのは38歳のときでした。当時はまだ長く働くことが評価される時代だったので、無謀な決断だと思われていました。
大事なのは、まわりがどうこうではなく、自分が納得できているかどうかだと思います。情報が多い今の時代だからこそ、同調圧力に惑わされず、自分は何を求めているのか、何が快適なのかを自問自答し続けて、自分にとっていい選択をしていきましょう。
選ぶのは慣れないと難しいかもしれませんが、人生は選択の連続です。選ぶことを避けているとまわりに流されてブレブレになってしまい、自分がわからなくなって苦しくなります。 選ぶことは自分の人生に責任をとることで、慣れないと怖いかもしれませんが、大丈夫、全然怖くないし、むしろ爽快で自信がつきます。勇気を出して、選ぶことに慣れていきましょう