藤井 雅子(心理カウンセラー)- コラム「悪気がなくても罪は罪」 - 専門家プロファイル

藤井 雅子
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フジイ マサコ
( 東京都 / 心理カウンセラー )
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悪気がなくても罪は罪

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2020-10-03 18:54

もう10月ですね。まだエアコンは使っていますが、使う時間は激減し、空気も乾燥して秋の気配が漂うようになりました。

 

さて、今回は、カウンセリングの場でよく出てくる「相手に悪気はなかったんだから・・」と自分の被害を過小評価することについてです。

 

この場合、相手は親、上司、パートナー、友人などさまざまです。

 

共通しているのは、自分が被害にあってつらい思いをしているのに、相手に悪気がないなら仕方がない、許すべきだとあきらめているところです。

 

でも、それは違います。はっきり言いますが、あなたがつらい、それがすべて。相手の意図は関係ありません。悪意がなければ許されるなんてことはないんです。

 

たとえば、あなたが不注意で交通事故を起こしたとします。他人を巻きこんで大怪我をさせたとして、悪意がなかったからあなたには何の責任もないですか。誰かの家に突っ込んで家の一部を壊したとして、悪意がなかったからと何の弁償もしないで平然としていられますか。

 

そうじゃないですよね。私は、わざとじゃなくても相手を傷つけてしまったら、傷つけたことについては謝罪してできるフォローをするのが健全な大人だと思っています。

 

その前提として、私たちは完ぺきではないのだから、誰にでも、気をつけていても他人を傷つけてしまう可能性があるということを忘れてはいけません。ミスや失敗も同じです。

 

私は仕事でハラスメント行為者(加害者)と話す機会もありますが、今まで会ったほとんどの人が「わざとじゃなかった」「悪意はなかった」と自分を正当化して、訴えられた自分こそが被害者だと主張し、素直に自分の言動を反省し修正する姿勢を見せませんでした。

 

(おそらく彼らは、自分の言動と人格を同じだと考えていて、人格否定を免れようと必死なのだと思います。でも、人を傷つけてしまったとしても、その人が人間失格なわけではありません)

 

行為者にもいろいろ言いたいことや事情があるとは思いますが、相手に実際にダメージがある場合、言い訳は後回しで、まずは被害を与えたことを真摯に謝罪すべきです。逆の立場なら、まず謝ってほしいと願うものではないでしょうか。

 

ところが、被害者になりやすい人は、この意識が弱い場合がとても多いように思います。まるで自分は被害を受けてもしかたない、自分には価値がないと思っているかのようにです。

 

あなたを不当に扱う暴言(人格否定や無視、脅しなど)は、職場ならパワハラ、プライベートならモラハラです。

 

たとえ肉体的な暴力や「死ね」などの極端な暴言がなかったとしても、あなたの尊厳を否定するような発言や物に当たって脅威をあたえるような行為はハラスメントに該当します。

 

相手が無自覚だろうと関係ありません。今あなたがつらければそれはハラスメントです。ひとりで我慢しないで、信頼できる誰かに相談してください。黙っていても何も変わりません。どうか勇気を出して自分を守ってあげてください。

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