酒井 正人(建築家)- コラム「住まい方で変わる省エネ対策〜何が一番省エネか?」 - 専門家プロファイル

酒井 正人
住む人の手が触れる場所から、建物へ、街へと心地良さを拡げたい

酒井 正人

サカイ マサト
( 東京都 / 建築家 )
サカイデザインネットワーク有限会社 取締役社長
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住まい方で変わる省エネ対策〜何が一番省エネか?

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心地よい住空間 快適暮しのエッセンス  2009-08-02 16:09
8月1日(土)晴海トリトンスクエアで設計実務者向けの「環境セミナー」が開催されました。 (社)東京建築士会主催、(社)日本インテリアデザイナー協会 他インテリア関連団体後援の第1回目の環境セミナーで、武蔵工業大学の守屋昌則教授、東京理科大学の井上隆教授によるレクチャーがあったのですが、とても興味深く大切な内容でしたので、このコラムをご覧になった皆様へもポイントをご紹介したいと思います。

いまや環境のことを抜きにして、暮らしもビジネスも存続できない状況になりつつありますが、ではいったい「環境にやさしい事」、「省エネ対策」といっても何ができ何が効果的なのか? と問われると気持ちがあっても正しい知識がないと実行できないことが意外と多いのです。

私達のふだんの暮らしのなかで、家庭でできる「省エネ対策」で一番効果的なことは何か? このことについて、住まいの中のエネルギー消費量で一番エネルギー消費が大きい項目は何だと思うか?という質問を全国数千件の住宅で調査した建築学会での調査結果があるそうです。 「冷房」・「暖房」・「給湯」・「照明家電」の4項目で、生活者の答えは1位が「冷房」2位が「暖房」3位が「給湯」4位が「照明家電」だそうです。 

皆さんの答えはいかがですか?

実は住まいの中でエネルギー消費が大きい順番は、

1位「給湯」2位「照明家電」3位「暖房」4位「冷房」となり、


その比率は家全体のエネルギー消費を100%とすると、1位「給湯」が39%、2位「照明家電」が35%、3位「暖房」が24%、4位「冷房」はわずか2%となります。



つまり、私達の多くが家庭の中で「省エネ」対策としてエネルギー消費の一番少ない「冷房」を意識し、エネルギー消費が一番多く家庭のエネルギー消費の40%もの「給湯」をあまり意識していないということになるわけです。 そして、2位の「照明家電」についても生活レベルの向上の証しとして、便利な家電製品をたくさん所持し使う傾向にあることがエネルギー消費の高さへつながるのだと感じます。

確かにふだんの生活のなかで、特に夏場の冷房については温度を26度以上にするとか、クールビズを実行するとか、ある程度実行できている傾向にあるのですが、実際には省エネ効果の大きい「給湯」についてはどうか?と考えてみると、たとえば私達日本人はお風呂好きが多く、毎日お風呂に入り、シャワーもじゃんじゃん浴び・・基本的なライフスタイルによるエネルギー消費の多さは簡単には抑えられない状況があるのは確かかもしれません。 そして、家庭でできる「省エネ」は、まず「給湯」から考えなければならず、そのことを意識した住まいの在り方、設計への反映の大切さを再認識しました。(つづく)


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