岸井 幸生(公認会計士・税理士)- コラム「オリンパス監査法人に業務改善命令~転機となるか?」 - 専門家プロファイル

岸井 幸生
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岸井 幸生

キシイ サチオ
( 東京都 / 公認会計士・税理士 )
LBA会計事務所 代表
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オリンパス監査法人に業務改善命令~転機となるか?

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2012-07-10 09:00

こんにちは。

公認会計士の岸井です。


先週金曜日、『オリンパスの監査法人に業務改善命令 あずさと新日本』という記事が

業界を賑わせました。

そして週明けも余韻が冷めていない状況です。


ご存じオリンパスが巨額の粉飾決算をしていたのに、監査法人が見つけることができなかった

という事件がありました。

今回、その一連の事件に対して、金融庁から担当していた監査法人に処分が言い渡されました。


監査法人の本業である「監査」の業務に不備があって、改善を求められるわけですから、

これは非常に大変な事態です。


しかし、ポイントは、今回の処分が「見つけられなかったこと」に対してNGが出たわけではなく、

・監査対象の怪しげな情報を監査法人本部に集約できる体制がない

・現場と本部の連携が悪い

といったような、しくみの不備を指摘されている点です。


とても、予定調和なオトナな処分です。


誤解している人が多いですが、監査法人は不正を暴くことが仕事ではありません。

監査法人のOKが出た=不正のない「きれいな決算書」ができました

ではないのです。


これは業界的にはもちろん常識で、

用意周到に隠されたら、(そりゃもう必死で頑張るけど、)見つけられない、

必死で頑張っても見つからなかったら、後で発覚してもそれ自体は問題にならない。


だから、近年の監査は、どちらかというと、

後で見つかっても、「あの時これだけ頑張ったんだ」という証拠をひたすら作る作業に

時間も能力を使っています。

極端ですが、マニュアルにある手続きを全部やったんだから仕方ないよねって。


でも、世間一般の期待は違うんですよね。

見つけられないなら監査いらないじゃんって。


この処分が、監査の在り方を少し転換させる処分になるか、ならないか。

ならないかなぁ。。。


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