会計業界2大事件(ひとつめ)
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先週、「会計士Sachioのブログ」に載せた記事を少しアレンジして転載します。
あまり馴染みのない会計業界を少しのぞいてみませんか?
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GWも遠い過去に流れていき、もう金曜日。暑かったり寒かったりの今週でしたがいかがでしたか?
GW翌週の会計業界で話題になっていることが二つほどありました。
そして私自身も考えるところがありました。
(ひとつめ)は、TV等でも報道されていました「粉飾指南コンサルタント」事件。
そもそも、医薬品メーカーの富士バイオメディックスという上場企業が2008年に倒産しているのですが、捜査の結果、粉飾決算の疑いで元社長ほか3名が今週逮捕されました。(←報道的にはこちらが主)
そして、「ほか3名」の中に、経営コンサルタントがいて、このコンサルタントが粉飾を指南したのではないかとの疑いがあるのです。
粉飾指南コンサルタントなる肩書は、当然この世には存在しないわけですが、
実際のところ、グレーなところを指南して法外な報酬を受けているコンサルタントは存在しています。
会社は、粉飾したくなるような動機、たとえば利益を出さないとお金が借りられなくなり資金が底をついてしまうなど、そういう状況にあるわけです。
背に腹は換えられないとなると、「専門家」の教えに乗っかって粉飾に手を染めることがありえます。
「専門家」は、逆に会社のそういう弱みに付け込むわけです。
当然、そんな「専門家」を私は専門家だと思っていませんが。
こういう事件を見ると、いつも思います。
弱っている会社に「会計のウルトラC」的なものはなく、
少し遠回りでも、弱ってしまった原因をひとつひとつ潰していかないと、ほんの少し延命するだけ。
いや、それだけならまだしも、被害者と被害額が膨らんでいくのです。
頑張って上場したのに。
信頼して投資したのに。
良いもの作っていたのに。
ただ、そのコンサルタントは逮捕前のインタビューで一つだけ的確なコメントをしています。
「粉飾は麻薬。一回やると死ぬまでやめられなくなる」
よく使われる表現ですが、場面が場面だけにインパクト大です。
皮肉にも、今後の粉飾防止の一助になったのではなかろうか。
LBAアドバイザリー株式会社
代表 公認会計士 岸井 幸生