小日向 るり子(心理カウンセラー)- コラム「自死遺族の手記6 ~弟を自死で亡くしたNさん~」 - 専門家プロファイル

小日向 るり子
感情を否定せず、まず寄り添うこと、を理念としています。

小日向 るり子

コヒナタ ルリコ
( 東京都 / 心理カウンセラー )
フィールマインド 代表カウンセラー
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自死遺族の手記6 ~弟を自死で亡くしたNさん~

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自死遺族の手記 弟を自死でなくしたNさん 2014-04-21 14:25

連載でお届けしている自死遺族の手記の第6回目となります。
「自死遺族の手記6 ~弟さんを自死で亡くしたNさん~」
この手記が書かれたのは2012年2月。弟さんを亡くされてから1年3ヶ月後の気持ちが書かれています。

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「弟に対する罪悪感で生きてないで自分の人生を考えたほうがいいよ」
と言われた事がある。

弟がやりたかった夢を追い、
弟が作りたかった家庭を夢見、
弟が行きたかった場所に遊びに行き、
弟が食べたいものを一緒に食べる。

今は、自分の将来について考えるというよりは、
ほとんど弟のことで私の頭の中が出来ている感じがする。
そういうことだから、周りの人はそんな私を心配するのだろう。

私なりに、それが私の生き方かなっと思っている部分もあって
特に辛い思いをしているとかはないのだが、
たまに、楽しいこと、季節の行事ごと、幸せを感じるとき、
ふと、弟の死に顔が頭に浮かび、
俺が幸せになったらだめだよな
弟に申し訳ない。
俺も最後は同じ木で死んでやるからな。
とマイナスの気持ちになる時がある。

弟はいつも私に相談してきていた。
進路だったり、生き方だったり、
恋愛だったり、なんでも相談にきた。
辛いときは、いつも泊まりに来て、朝まで話をしていた。

そんな弟が自殺という道を選ばなくちゃならなくなったのは
私のアドバイスが悪かったからかもしれない。
もっと、違うことを言っていたら、
こんな事にはならなかったのではないか。

そう考えると
自分の幸せすら罪に感じてくるときがある。

この思考は直さなくちゃいけない。

自殺者遺族は、必ずといっていいほど救えなかった後悔という想いがあると思う。

「後悔することないよ」

「結果は同じだったから」

「貴方は精一杯やったから」

「今は幸せなんだから天国から笑ってるよ」とか

よく励まされる。


分かってる。
よく分かってる。

分かってるんだが、そんな簡単になるほど!と思えるほど
精一杯愛してなかったし、
今は後悔と悲しみの中で生きていると
弟の近くにいるような気がしてとても居心地がいい。

だから
もう少し時間が欲しい。

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この手記を書かれたNさんこと岡田のりきさんは、それからほどなくして兄弟自死遺族の自助グループ「テルテルの会」を立ち上げ、その後、「自死遺族関係者が届ける心の支援団体 ハートストレングス」を立ち上げました。
御縁があり、現在私も「ハートストレングス」で副代表として活動させていただいています。

今回のコラムを掲載するにあたり、御縁のきっかけとなった岡田さんのブログを再度読み返し、あらためて湧き上がる気持ちがありました。
そちらにつきましては個人的なブログに掲載しましたのでよろしければブログもご覧ください→

http://ameblo.jp/r-kohinata/entry-11829055300.html#cbox

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