小日向 るり子(心理カウンセラー)- コラム「自死遺族の手記4 ~弟を自死で亡くしたNさん~」 - 専門家プロファイル

小日向 るり子
感情を否定せず、まず寄り添うこと、を理念としています。

小日向 るり子

コヒナタ ルリコ
( 東京都 / 心理カウンセラー )
フィールマインド 代表カウンセラー
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自死遺族の手記4 ~弟を自死で亡くしたNさん~

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自死遺族の手記 弟を自死でなくしたNさん 2014-02-26 13:57
Nさんの手記、4回目です。 警察で弟さんの遺品と対面したときの心情です。
弟さんの死後、7か月経った時期に綴られたものです。

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早速、取調室のような個室に行き、現場での状況など詳細を聞いた。

財布、携帯、その時の洋服などの遺品を渡された。
洋服はビニールに入っていたが、
首吊りは汚物が出るという話を聞いた事があったので、家族全員の話し合いで、開けることなく捨てる事にした。


携帯には、最後私にあてた電話、メールの発信履歴、私から送った、
「生きてるか?」
というメールが未読のまま残っていた。

財布の中身を見ると
現場にくるまでの、ガソリンスタンドなどのレシート、
首吊り用のロープなどを現場近くで買ったらしく、そのレシートも入っていた。
死ぬ前なのに、レシートをしっかり財布に入れる弟の性格を想像し、とてもいたたまれない気持ちになった。


携帯を母親が見て、突然泣き崩れた。

「どうしたんだ??」

みんなが、母親の元に行くと、母は携帯を私達に差し出してきた。
なんだろう、と携帯を見てみると、まだ送っていない未送信のメールが携帯に映っていた。

ボタンを押し、読んでみると

お父さん お母さん お兄ちゃん。
みんな大好きでした。
ごめんなさい 許してください。

この3行が、送られる事なく未送信メールとして保存されていた。

そこに集まっていた全員が嗚咽の声を上げ泣き崩れた。


お前という奴は・・・

送信すると、みんなから電話がかかってきて、
また死にっぱぐれるから、
送信しないまま、遺言として保存していたのか・・・

もう、死にたかったんだな・・

止めて欲しくなかったんだな・・

助けてやれなくてごめん・・


メールを送信せずに携帯を閉じた勇気、私には一生涯超える事は出来ないだろう。

弟は本当にすごいやつだと思った。


数分して警察官が、
「息子さんをお見せする準備が出来ました」と呼び出しに来た。
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コラムと前後しますが、私個人ブログ(2月14日の記事)にて、Nさんが弟さんのご遺体と対面したときの気持ちを綴ったブログを一部編集して掲載しています。
また、この手記を書かれたNさんが代表をつとめる「任意団体ハートストレングス」主催で2月22日に行われたボーリング大会の様子を本日のブログに掲載しました。
http://ameblo.jp/r-kohinata/entry-11782159145.html
よろしければブログもご覧ください。

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