こんにちは、今井淑恵です。
前号の実技編につづく、「鯛」の日本語あれこれ！表現をご一緒に。

鯛は「百魚の王」とも言われ、その色彩や味、姿（頭（かしら）つきで尻尾がきゅっとあがっている焼き物など）も日本の食生活にあっているようで、「めでたい」の掛け言葉もあるほど、祝い事にはつきものの魚です。
 
江戸時代の大名は幕府に「鯛」を献上していた記録もあり、「大位」という当て字もみつかっています。
 
【鯛】のつくことわざや熟語をみてみましょう。
 
 
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　　ことのは探訪《　あれこれ！　表現　～鯛～ 》
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海中では淡紅色ですが、水からはなれると赤っぽい色に変わり、体長１メートルくらいになる鯛もいます。
高たんぱく質、低脂肪の栄養価の高い魚です。
古代遺跡からも骨が発見されるくらい、「鯛」は古くから食されていたようです。
 
 
★「鯛」に関することわざ★
 
【 献上ものの鯛 】
　　　…………　優れた容姿であること、人並み外れた美しさをいう。
 
【 腐っても鯛 】
　　　…………　本質的に優れたものは、たとえ傷んでもその品格を失わない。
 
【 鯛の尾より鰯の頭（かしら）】
　　　…………　大きな集団の後にいるよりも、小さな集団でも先頭に立ち活躍するのがよい。
 
【 海老で鯛を釣る 】
　　　…………　安価なものを利用して、大きな利益を得ること。
 
【 海老の鯛交わり 】
　　　…………　能力のある人のところに不相応な人が混じっている事。
 
【 鯛も一人じゃうまからず 】
　　　…………　どんなにおいしい良い料理も、一人で食べてはおいしさが半減するというたとえ。
 
【 恵比寿さまが鯛を釣る 】
　　　…………　喜色満面、恵比寿顔のようにニコニコとしている様子。
 
【 鯛もひらめも食うた者が知る 】
　　　…………　食べたことがないものは、その違いがわからないこと。
 
【 鯛知らず 】
　　　…………　魚の王といわれる鯛のことも知らない、無知蒙昧な人物のこと。
 
【 河豚（ふぐ）にもあたれば鯛にもあたる 】
　　　…………　運の悪いときは、安全なものも毒になることがあるというたとえ。
 
 
 
 
★「魚」のつく四字熟語★
 
【 得魚忘筌 】
　　とくぎょぼうせん…………　目的を達すると、それまでに役立ったものを忘れてしまうことのたとえ。
 
 
【 魚目燕石 】
　　ぎょもくえんせき…………　似てはいるが、本物でないこと。まがいもののこと。
 
 
【 魚網鴻離 】
　　ぎょもうこうり……………　求めるものを得られず、逆に求めていないものを得ることのたとえ。
 
 
【 漁夫の利 】
　　ぎょふのり…………………　当事者同士が争っているすきに、第三者がやすやすと利益を横取りすることのたとえ。
 
 
 
 
★「鯛」の調理法あれこれ★
 
 
　　　　鯛のお造り　／　鯛のあら炊き　／　鯛の姿焼き　／　鯛の昆布しめ　　
 
　　　　鯛の若布蒸し　／　鯛のマリネ　／　小鯛の笹寿司　／　鯛でんぶ　　
 
　　　　鯛のグリル　／　鯛めし　／　鯛の潮汁　／　鯛の煮付け丼　　
 
　　　　鯛のカルパッチョ　／　鯛茶漬け　
 
 
 
ー参考資料ー
　　広辞林、学研「ことば選び辞典」、学研「日本語知識辞典」、
　　角川書店「字源」、小学館「慣用ことわざ辞典」、三省堂
　「例解新国語辞典」、えひめ愛フード推進機構ＨＰ