前回実技編につづく「霞」の日本語あれこれ！表現です。

古くは春・秋とも「霞｣とも「霧」とも言っていました。
平安時代以降、ふつう春のものを「霞」、
秋のものを「霧」と呼び分けるように。

深山渓谷に分け入り霞の中で生活する仙人が、自然と対峙（たいじ）して
生きる糧を「霞」に喩えたものです。

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　　ことのは探訪　《あれこれ！表現　～霞 ～ 》
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霞とは、霧や靄、煙霧など遠くの景色がぼやけているさまを言います。

【 霞径 】……かけい………　雲気のこもった小径。

【 霞彩 】……かさい………　朝焼け、夕焼けの美しきいろどり。

【 雲霞 】……うんか………　雲と霞。
　　　　「雲霞たなびく空に日の光が差す」。

【 煙霞 】……えんか………　煙と霞。ぼんやりとかすんで見える美しい自然の風景。

【 紅の霞 】……くれないのかすみ………　朝日や夕日が映って赤く見える霞　
  　　　「沈みゆく夕日が彩る紅の霞」。

【 翠霞 】……すいか………　みどり色の霞。
　　　　「翠霞の立ちこめる森の中を行く」。

【 遠霞 】……とおがすみ………　遠くをぼんやりとおおう霞。
　　　　「遠霞のただよう山並みを見やる」。

【 初霞 】……はつがすみ………　新年になって野山にたなびく霞。

【 晩霞 】……ばんか………　夕方に立つ霞。夕霞。
　　　　「晩霞に包まれた村に明かりが点(とも)る」。

【 群霞 】……むらがすみ………　群れ立つ霞。
　　　　「空の色を隠して立つ群霞」。

【 八重霞 】……やえがすみ………　幾重にも立ちこめる霞。
　　　　「八重霞が山の稜線を隠す」。

【 霞に千鳥 】……かすみにちどり………
　　　　　霞は春、千鳥は冬のものなので、不相応の物事のたとえ。

★花ことば★「かすみそう」

・撫子（なでしこ）科の多年草で、色は白、ピンク、赤。
　原産地：ヨーロッパ、コーカサス、西アジア

・別名を「ベビーズブレス」（赤ちゃんの吐息）

・花言葉「夢心地」「親切」「清らかな心」 など。

明治時代（1883年）の小学唱歌集に載ったものは、文語調の歌詞でした
原曲はドイツ民謡、加部巌夫　訳詩。

　　「霞か雲か」　　　訳詩：勝　承夫（口語調の訳、訳詞が違う箇所もあります）

１、かすみか雲か　ほのぼのと
　　野山をそめる　その花ざかり
　　さくらよさくら　春の花

２、のどかな風に　さそわれて
　　小鳥もうとう　その花かげに
　　いこえばうれし　わか草も

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