こんにちは、今井淑恵です。

朝夕はめっきり涼しさを感じるころ、前号４３号の実技編「涼」の

◆ことのは探訪《 あれこれ！表現 》◆で、秋の「涼」しさを感じて

みませんか。

「涼しい」は、ほどよく冷やかである、さわやかである、
煩いがなく心がさっぱりしている等の意味があります。
　
徒然草に「いかばかり心のうち　涼しかりけむ」　という
一節がありました。今も昔も、心を煩わせることはあるのですね。

★「涼」の表現さまざま★

　　●心頭を滅却すれば火もまた涼し
　　　　　　　……………　無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられる、
　　　　　　　　　　　　　心の持ちようで、どんな苦痛でもしのげるという意味。

　　●涼しい顔……………　自分にも関係があるのに、何の関係もないかのような
　　　　　　　　　　　　　顔をしてすましているさま

　　●涼しき方……………　清らかで気分爽やかな世界、極楽浄土

　　●涼しき道……………　極楽浄土に行く道、また極楽浄土のこと

　　●涼を納（い）れる
　　　　　　　……………　涼むこと、また「涼をとる」とも言う

★「涼」のつく四字熟語★

【 新涼灯火 】……しんりょうとうか………  初秋の涼しくなり始めた頃は、灯火の下で読書を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　するのにふさわしい頃という意味　

【 鮮美透涼 】……せんびとうりょう………　鮮やかで美しく、清らかに澄んでいること　

【 満目荒涼 】……まんもくこうりょう……　見渡す限り、荒れ果ててさびしいさま　

【 寒熱温涼 】……かんねつおんりょう……　漢方医学で薬剤の温度による寒、熱、温、涼の４種類の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　性質をあらわす　

★「涼しい」のヴァリエーション★

　　秋涼　／　新涼　／　清涼　／　爽涼　／　涼雨　　
　　涼感　／　涼気　／　冷涼　／　涼風
　　月影涼し　／　秋波（美人の涼しい目もと）