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ペインクリニック(痛みの専門外来)について
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本日からペインクリニック学会正会員の立場から「痛み」について理解しやすいような一般的な知識や
痛み関連の情報をお伝えしていきます。
ペインクリニックとはまだ比較的新しい診療科目でご存知ない方が多いと思います。
「ペイン」とは「痛み」という意味で、ペインクリニックとは「痛みの診断治療を専門に行う診療科」のことです。
ペインクリニックでは麻酔科の医師を中心に整形外科医・一部の鍼灸師・柔道整復師(接骨師)によって
組織体系化した学会「日本ペインクリニック学会」があり全国で約4000人の会員で構成されています。
通常、麻酔科の主たる業務は手術の際の呼吸・循環・蘇生を管理する医師ですが、大学病院や
公立病院・民間病院などに麻酔科外来(ペインクリニック外来)があり、またペインクリニックのみを
専門とした医療機関やクリニックもあります。
ペインクリニックは急性・慢性・難治性疼痛の患者さまや他科からの紹介により、神経ブロックという
治療を中心に麻薬性鎮痛薬などの薬物療法さらに非侵襲性の経皮的手術なども行い、疼痛を一時的
また長期間に亘りコントロールすることが可能な医療分野として注目されています。
また補助的手段としてはレーザー治療による光線療法や鍼治療なども併用して生活の質(QOL)を
重視する全人的医療をめざしています。
なお、神経ブロックとはおもに局所麻酔薬や神経破壊薬を使用して痛みを伝えている神経伝導路を
遮断することで血流が改善、人間が本来持っている自然治癒力を助ける目的で日々開発・改良されて
いるブロック針を用いた手技です。ですから一時的な痛み止めの注射と区別する必要があります。
しかし神経ブロックは抗凝固剤・抗血小板療法を行なっている患者さまには出血傾向の関係で
行なうことができない場合もあります。
またその他の薬物アレルギーの患者さまも同様です。また、ブロック注射に対する恐怖心や
決断できない方、頻回にブロック注射を行なうケースは部位の瘢痕化の問題や小児などの
患者さまの場合は、治療の際にご協力も必要不可欠となります。
レーザー治療はブロック注射ほど即効性は期待できませんが、補助的に行なうことでブロック注射
の回数や薬物療法の減量などが期待でき慢性痛などには適している治療法といえます。
なかでもレーザーによる星状神経節照射は安全に行なえる治療法として麻酔科に限らず他科に
おいても普及している現状です。しかし巷ではスーパーライザーによる光線療法をレーザー光(単波長)
と勘違いしている方がおりますが、厳密には近赤外線(複合波長)による光線療法です。
最後にペインクリニックの適応症は椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの筋・骨格性疼痛
疾患や三叉神経痛等の顔面痛・頭痛・帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛、がん性疼痛管理、
RSDやカウザルギー等の難治性疼痛などの「痛み」を中心に顔面神経麻痺・痙攣また花粉症、
アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患、自律神経失調症・更年期障害なども扱います。
次回からのコラムは痛み治療に用いるレーザー治療についての知識や効果のシリーズ化
さらにペインクリニックの適応疾患、治療法の情報をお伝えしていきます。
東京都立川市錦町2-5-26-1F
いわさき痛みの整骨院
院長 岩崎 治之 (日本ペインクリニック学会 会員)