茅野 分(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))- コラム「軽い躁うつ病(2)」 - 専門家プロファイル

茅野 分
東京・銀座の心療内科・精神科、夜間・土曜も診療しております。

茅野 分

チノ ブン
( 東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医) )
銀座泰明クリニック 院長
Q&A回答への評価:
4.7/334件
サービス:1件
Q&A:1,052件
コラム:218件
写真:0件
03-5537-3496
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ

軽い躁うつ病(2)

- good

2007-03-28 00:00

このように躁状態というのは予想以上に頻繁に生じるもので、注意深い観察が必要です。海外では当初うつ病と診断された方の3‐5割が実は躁うつ病、双極性障害だったという調査結果も出されています。このため国内の精神科医の間でもこの事実は最近よく話題になっており、軽い躁状態を見逃さないようにと注意が喚起されています。軽い躁うつ病、双極性障害は、Soft bipolar spectrum と呼ばれ、幅広い定義がされています。具体的には以下のような分類がされています。

Bipolar 0.5
統合失調双極性障害
Bipolar 1
躁うつ病
Bipolar 1.5
遷延した軽躁を伴ううつ病
Bipolar 2
自生的で明瞭な軽躁を伴ううつ病
Bipolar 2.5
循環気質者のうつ病
Bipolar 2
抗うつ薬や身体治療により起こる軽躁とうつ病
Bipolar 2.3
物質やアルコールによって起こる軽躁とうつ病
Bipolar 3
発揚気質者のうつ病

循環気質や発揚気質とは、気分の変動や循環を特徴とする方々のことですが、具体的には以下のように説明されます。

循環気質
善良、温厚、社交的ではあるが、爽快と悲哀、活発と緩慢の両極を揺れ動く。
発揚気質
快活で現実的、世話好きの楽天家。周囲と喧嘩をよくするが、直ぐ和解する。

従って、このような気質の方が抑うつ状態になった時には躁状態の可能性も考慮しながら治療されるべきで、病状に応じては気分安定薬を併用することが求められるのです。

銀座泰明クリニック

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム