フランチャイズ本部の構築のために、フランチャイズ契約書や中小小売商業振興法に基づく法定開示書面の作成の依頼に関する相談の連絡をいただくとき、フランチャイズ本部をこれから立ち上げようとしている会社で、まだ、どのようなフランチャイズビジネスを行うかを決めていない段階で、相談の依頼の連絡をされる会社がよくあります。
　フランチャイズ本部を構築するにあたって、まず契約書の作成が重要と考えていることはよいのですが、弁護士の立場からすれば、基本的なビジネスの仕組みができていない段階で契約書の作成をすることはできないということになります。法律・契約書はビジネスを裏から支えるものにすぎないからです。
　そこで、フランチャイズ本部を立ち上げようとする会社の経営者・担当者の方に対するアドバイスとしては、以下のようなものになります。
（１）フランチャイズのビジネスの仕組みについて書籍が出ていますので、まず、１ー２冊読んでみる
（２）社団法人日本フランチャイズチェーン協会ではフランチャイズ本部の立ち上げのためのセミナーを開催していますので、参加してみる
（３）フランチャイズ展開を専門にしているコンサルタントの先生に相談する
（４）ビジネスの仕組みが決まったら、法律事務所でフランチャイズ契約書や中小小売商業振興法の法定開示書面を作成してもらう
　以上のような手順で、フランチャイズ本部構築には時間をかけて、また、加盟者の利益も考えて、トラブルがないように、ビジネスの仕組み作りを考えましょう。