大園 エリカ(クラシックバレエ教師・振付家)- コラム「相変わらず「日本のバレエ界」が抱えるジレンマ」 - 専門家プロファイル

大園 エリカ
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大園 エリカ

オオソノ エリカ
( 東京都 / クラシックバレエ教師・振付家 )
舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
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相変わらず「日本のバレエ界」が抱えるジレンマ

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2023-12-30 10:11

今回は久し振りに、私が現役引退した頃と何ら変わらない様に見える「日本のバレエ界の現状」が垣間見える様な話題をお伝えしようかなと思います。


数ヶ月前に"お薦め"として自動的に上がって来た、日本に於いて「非常に歴史のあるバレエ団」のYouTube動画をたまたま目にした事がキッカケで、興味深く拝見する様になったチャンネルがあるのですが、


今回はそのチャンネルで最近投稿された動画に、私が思わずコメントや返信させて頂いたものをお届けしようと思います。(※以下、パープルの文字私のXポスト(ツイート)ブルーの文字YouTubeへの私のコメント及び返信になります)

( ・・) ~ ☆彡☆彡☆彡




私の来年の初舞台鑑賞となる「白鳥の湖」を上演するバレエ団が配信している、最新動画に於ける賛否の分かれるコメント欄の盛り上がりが凄い!


ちなみに「日本バレエ界あるある」を感じた私も、珍しく私見をコメントさせて頂いた。(※以下、今回のYouTube動画での私のコメント及び返信です) 




世界最高峰と言われるロシアのバレエメソッドと芸術性に触れたら、「日本にいるなら日本のスタイルで」となる芸術後進国の日本のスタイルは、Aさんには体の使い方や表現法含め「何かが足りない」と感じてしまうのは、私は当然だと思います。だから「気持ち凄く分かる」と私は思いました。


私もロシアのバレエが凄く好きで、現役だった頃に本場で指導を受けた事もありますので、メソッドの違いから来る日本人ダンサーの「身体の使い方の浅さ」というものを感じますし、ロシア人ダンサーと日本人のダンサーの「意識の高さの違い」も私は理解出来ます。


ロシアで学んでプロとして舞台にも立って来られたAさんには「日本でバレエを踊る」という事には、正直色々と悔しい思いもあると思いますが、新春の公演頑張って下さい。出演してから今後を改めて考えるのも一つかなと私は思います。





私も正直今回の「主演にゲストを呼ぶ」というのには、部外者ながらとても違和感を感じた一人です。そうでもしないと「今回の配役をAさんに納得させる事が出来ない」と幹部の方達が思われたのでしょうか?


と憶測さえしてしまう。


そしてもしそうなら、それは適材適所ではなく「上の者の独善的な私情で配役を決める」という事にもなる訳で、それが舞台をつまらなくさせる"日本バレエ界あるある"だと私は思いました。





何が良いとか悪いとかではなく、確かに怪我が多いという事は、Aさんに取って「自分に合っていない場所」というメッセージではないかと私も思います。


今までの経緯から考えても、こちらのバレエ団のやり方は、昔ながらの「島国根性が根強いスタイル=協調性を尊び、それを"心"と称するスタイル」なのかもしれません。


反対から言えば幹部の方達の好みで「出る杭は打たれる」という事かもしれません。このバレエ団に限らず、昔からそのせせこましさが日本のバレエをつまらなくさせている一因でもあるのですが。


ちなみに身長で言えば、クロアチアのザグレブ国立バレエ劇場は、女性も男性もかなり高長身の方が多い事で有名です。(男性は180~190cm以上の方がザラ)


クロアチアのバレエ団は基本ロシアンメソッドですし、今はどうか分かりませんが、コロナ禍前はロシア人ダンサーも多く働いていましたから、もしかしたらAさんに合っているかもしれません。


ちなみに国民の平均身長が高いクロアチアの街を歩くと、日本人は埋もれて子供みたいになります。(笑)





こちらこそ、心に響くメッセージと感じて、思わず返信させて頂きました。


これは私の見解ですが、芸術後進国である日本でバレエのチケットをさばこうと思ったら、質を落として「大衆の好みに近付けないとならない」というジレンマがバレエ団側にもあるのではないでしょうか。


それは「妥協」や「媚び」にも繋がるので、純粋なアーティストの心を傷付ける場合もありますよね。バレエ団の(元プリマバレリーナである)芸術監督もそのお一人の様な気が私は致します。


将来的に「アーティストがギャラをもらうコンディションに繋がる人気商売」として取り組むか、「高みを目指す芸術家」として取り組むかは、現実的な営業側と夢を追うアーティスト側との葛藤にも成り得ますが、


いずれにしても高みを目指すバレエ団やアーティストには、現実的に経済的な援助をしてくれるパトロンの存在が欠かせません。国からの援助が無い自由主義国では、それは個人や企業になります。


今回色々な方達のコメントから、Aさんは「非常に恵まれた環境の中でバレリーナとして活躍されておられる」という事が憶測出来ますが、私はそれは或る意味「天からの贈り物であり、Aさんがそれを受け取る資格を持っている」という見方も出来るという事を思いました。


そうした恵まれた中でバレエを続けられる環境というものにもちゃんと意味があり、大きな視野で観たならば、それは「才能の一部」にも成り得るという事でしょうか。


現実的に「非常にお金の掛かるバレエの道」を極めて日々アーティストとして精進する為には、ご両親がパトロンであるという形は、或る意味「純粋なアーティストの心身の健康維持」に繋がっている様に私は思います。


バレエに人生を捧げたいと思い、日々その為に稽古場で精進するのがお仕事のバレエダンサーが、どうやってお金儲けや貯金が出来ますか?という事です。


Aさんはロシアで本物のバレエに触れ、本物のアーティストの方達に触れて来られた分、決して傲り高ぶり精進を怠るという事は無い方だと私はお見受け致します。


又、Rさんの様に「アルバイトをしながら頑張っておられる姿」にも私はとても大きな感動を覚えます。彼女達に限らす「個々自分の与えられた環境の中で、自分に出来るベスト」を尽くしておられる団員の方達のそれぞれのお姿は、それぞれに大変美しい。私はそう思います。


ちなみにこの動画がアップされるまで、こうした内情を何も存知上げなかった私ですが、私の好きなアーティストのお一人であるRさんが主演される最終日の(来春の)白鳥を、私は楽しみに観に行かせて頂きます。


現役引退した後はバレエを殆ど観なくなった私に「今回このバレエ団の舞台を観てみたい」と思わせて下さったのは、幹部の方達とアーティストの方達含めた「バレエ団の皆様」です。






芸術後進国であるこの日本でも、私が「洗練されている」と感じさせて頂けるバレエ団というものはいくつかありますが、洗練されていても、何処か冷たさを感じる」というバレエ団も、実は少なくありません。


そんな中で「非常に人間味を感じられる今回取り上げさせて頂いた老舗バレエ団」に、私は珍しく久々に心を動かされた様に自分で思います。


ちなみに今回の動画がアップされるまで、配役の経緯の詳細に付いては何も知らなかった私でしたが、何故か「このバレエ団の今の生の舞台を拝見してみたい」と思う自分がいて、先に購入していました。


来春久々に拝見させて頂く事になるバレエの舞台。実は私に取っては初めてとなるこのバレエ団の「白鳥の湖」全幕の舞台で、私は「自分自身で何を感じるか?」が今から非常に楽しみです。


何故なら「生の舞台を通してしか伝わって来ないもの」というのがあるからです。

( ・・) ~ ☆彡☆彡☆彡





さ、今から私は年末の大掃除を始めるのじゃ♫

(^^✿


今日はこれからベランダと玄関ポーチを丁寧にお掃除したい♫寒い場所でのお掃除を済ませてしまえば、後は楽勝ではないかと思うから♡


ちなみに、そう思いながら「毎年大晦日は深夜までお掃除している私」かもだけど。(笑)

(^^;





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