大園 エリカ(クラシックバレエ教師・振付家)- コラム「きれいも汚いも同じもの」 - 専門家プロファイル

大園 エリカ
natural & elegance

大園 エリカ

オオソノ エリカ
( 東京都 / クラシックバレエ教師・振付家 )
舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
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きれいも汚いも同じもの

- good

2015-06-04 06:00

 

  誰が見ても美しいものも、見方を変えてみると、美しいと思えないことがある。

  誰が見ても薄気味悪い虫でも、マニアや研究者などには、とても美しく見える。

 

 

  誰がよいと思うことでも、立場を変えるとよくないことだったりする。

  戦争においては、戦っている者のどちらもが、正しいのは自分だと考えている。

  でも、いったい、どちらが正しいのだろう。

 

 

  よいことと悪いことは、同じ場所にある。

  見る人によって、よくもあるが、悪くもある。

 

 

  よいことと悪いことが一つの線上にあるように、

「ある」と思うことは、「ない」に対して存在する。

「ない」から「ある」のだ。 

 

 

  ないものねだりという言葉がある。

  この場合の「ないもの」とは、

  現実を顧みずに、ありもしないものや、そうあってほしいものを、手に入れようとする願望のことだ。

「持っていない」から「持っている」という実感を切望する。

 

 

「よい」と「悪い」、「ある」と「ない」、

「持っている」と「持っていない」。

  対極にあるようだが、実は同じことを指し示す。

 

 

  なにかに挑戦するとき、難しいと思って始めても、終わってみたら、容易だったと思うことがある。

  やってみたら簡単でも、その過程では困難だらけだったのではないか。

 

 

「長い」と「短い」、「高い」と「低い」などの言葉は、比較するものの状態から生まれた。

  そして状態だけではなく、場所や位置すら、比べる対象となる。

「先に行く」か「あとに従う」かは、たまたまその位置があるだけだ。 

 

 

  対極的な言葉は、音楽でいえば和音だ。

  楽器の演奏と歌声は、たがいが主張するのではなく、

  ただ存在するから、ハーモニーが生まれる。

 

 

  リーダーとなる人は、なにかを判断するときに、

  決まった位置から見た現象だけで優劣やよし悪しを判断しない。

  無為自然を知ったうえで、あれこれ説明せずとも、人々を導く。

 

 

  よいこと、悪いことという考え方をせず、

  自分の生き方についても、優劣やよし悪しを持ち込まない。

 

 

  部下や、後輩や、周囲の人たちの活動が、自分の行った指導や教育の成果だったとしても、

  自慢したり、吹聴しない。

  誰がなにかをやったから偉いとか、偉くないとか、比べたり、考えあぐねたりするのはナンセンスだ。

 

 

  真のリーダーは、たくさんの成果があがっても、所有物にしたり、自分の手柄にしない。

  大事業を成し遂げても、驕ったり、誇りに思わず、

  功名を成し遂げても、偉ぶらない。

 

 

  もしリーダーが、自分があれをやった、これをやったと主張すれば、

  立場を守るために、ストレスが発生する。

  そして、その立場を狙う者が現れたり、失脚させようとする者も現れる。

 

 

  どんなことでも、優劣をつけたり、よし悪しを決定することは、無意味だ。

  ポジション争いや、ランキングなど、達人にとってはどうでもいい。

 

 

  自分が成し遂げたことや、地位や名声などにすがりつくのはやめよう。

  すがりつかないから、その功名を比べるものがないのだ。

  比べられないから、永久に奪われることもない。

 

 

 

 

  (※「心が安まる老子」 伊藤淳子 訳より)

 

 

 

 

 

 

この雲はハート♡にも見えますし…、

何かの動物の親子の様にも見えますね♫ (子供には天使の羽根が付いています!?)

(^^♪

 

 

 

 

 

 

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