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ドイツのヒトラーは、イニシアティブをもっていたか。
たしかにヒトラーは、イニシアティブをもっている人の代表格である。ドイツ国民が混乱している中で、国を1つにまとめあげ、先見性を持ってドイツを主導していった。国民もほとんど多数がそれを支持し、ヒトラーについていったわけである。ドイツという国だけの単位で考えていくならば、まさしく偉大なるイニシアティブを保持していた人物であり、なかなかそれ以上の人物は少ない。国を組織と考え、会社と見るならば、ヒトラーほどの社長がいれば、社員のほとんどが、その社長についていくであろうから、ものすごいイニシアティブを発揮している人物ということになる。
しかし、ヒトラーは最後には追いつめられ、無残な最期を遂げるということは、間違ったイニシアティブであったのではなかろうか。イニシアティブという現象だけとらえれば、間違いなく成功しているのであるが、結果は大失敗である。
ヒトラーに欠けていたイニシアティブは、国を超えた他の国からの見解の相違の受容である。近隣諸国を滅ぼし征服していくわけであるから、征服された国から見ればとんでもないイニシアティブの持ち主である。ドイツは、国の進むべき方向が間違っていたわけである。イニシアティブは、その組織を主導していくわけであるから、その主導していった方向は、他の組織にもプラスのものをもたらさなければ、さらに前に進んでいくことは出来ない。ドイツのように、やがては国全体が終止符を打つことになるわけである。組織も会社も同様である。間違ったイニシアティブで突き進んで、その中にいる人も、リーダーと一緒に間違った方向に突き進んでしまうこともあるわけである。組織の中のメンバーも、わからなくなってしまうのである。つまり、リーダーが間違った方向に進んでしまい、それを修正すべきメンバーも間違ってしまうことがあるわけである。
その時、イニシアティブを発揮するときに重要な指針として、リーダーはメンバーの言うことに耳を傾け、そしてさらに、組織外のまわりの情勢にも耳を傾けるということが必要である。思慮深い見識と謙虚な心が必要なわけである。それを基本に、リーダーはイニシアティブをおもいっきり発揮していけば、正しい方向性が必然的に見えてくるわけである。
掲載続く