- 田村 祐子
- 白金台きもの学院 まゆの会 代表
- 東京都
- きものコンシエルジュ/きもの講師
対象:着付け・着物
背中の話 プロの技
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直線裁ちのきものには洋服の肩山やダーツに当たるものがありません。
一度、ジャケットやコートを羽織る時のことを想像してみて下さい。
適当に羽織って手を通せば、肩は肩の位置に収まり、余程のことがない限り曲がって着てしまうことはないでしょう。
しかし、きものはそうは行きません。
意識して真っ直ぐに着付けるようにしないと綺麗な着付けにはならないのです。
その時に便利なのが背縫いの線です。
小さな子供のきものにはないこともありますが、大人のきものは左右の後身頃が背縫いによって縫い合わされており、その背縫いの線が背中の中心に来るようになっています。
綺麗な着付けをするにはこの背縫の線がきちんと背中の中心に来ていることが重要で、そのように着物をきている状態を「背中心が通っている」と言い、着付けのお稽古の際などに一つの目安としています。
背中心が通れば肩の位置も左右対称となりますし、きものを左右対称に着ることが出来れば裾線も真っ直ぐに収まります。背中も端正に姿勢よく見え、全体が締まりかっこいい着付けになるのです。
背中心、大事ですね。
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