- 下村 豊
- 株式会社CSプランナー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
最近の政権交代で、デフレ脱却、インフレ目標設定2%という記事が踊っている。
アベノミクスと表され、株高、円安が急激に進み、経済界のみならず、世間的にも歓迎ムードのようだ。
あたかも、1億2千万人の国民の生活が良くなるというような雰囲気である。
私は、評論家でもコンサルタントでもない。
一介の営業マンである。
この今の流れを、良いとも悪いとも言うつもりもない。
ただし、株高、円安という国策で、今の日本の苦境が一気に改善される甘い期待は持つべきでないと考えている。
まずは、デフレとインフレを、営業の視点で値下げと値上げに置き換えて考えてみた。
デフレとは物が売れないということだ。
従って、売れる値段まで値下げをしなければならない。
数ある商品の中から、自社の商品を選んでもらえる、つまり選んでもらえる価値に応じた価格を設定しなければ、どちらにしても売れない。
その数ある商品の中には、海外製、とくに新興国のものもある。
以前なら、日本国民の意識の中にあった「made in japan」イコール技術的優位性と品質の高さによって、多少高くても選んでもらえた。
また、国内メーカーということで、メンテナンス、対応面で安心という点で選ばれた。
しかし、現在、この意識は過去のものと言える。
実際、多くのものが、中国や東南アジアのベトナム、タイで製造されている。
例え、日本メーカーであっても、海外メーカーであっても、製造されている国に大差がない。
現在、急激に普及しているスマホ、タブレットは、Appleであっても、サムスン、ソニーエリクソン、Amazon、Maicrosoftのどのメーカーであっても、作られている国は限られている。
ということは、従来の技術神話は通用しなくなっていることを意味する。
その中で、価格差がある。
タブレットでいえば、先駆者メーカーであるiPadが一番高いが、国内では5割のシェアを持っている。
一方、スマホでみれば、世界で一番売れているのはサムスン製である。
どちらにしても、日本メーカーは、上位には出てこない。
要するに、売れる、選ばれる商品の価値と価格が合わないから選ばれない、売れないのである。
今更、ガラパゴス化された従来の携帯電話を値下げしても、もう売れないのも明白なことだ。
そんな中、日本国内で、ダイソンの掃除機や冷風機(温風も出るらしいので、何と言ったら良いのか分からないが)が売れている。
それも、決して安くない。
また、輸入車のシェアが増えており、10%に迫る勢いだ。
その上、円高にもかかわらず、日本国内の価格を下げていないらしい。
結論は、日本の全ての業界が、お客様に選ばれる価値のある商品を作らなければ、どんな国策を打っても、厳しい状況に変わりがないということである。
他国より裕福な日本の生活水準(高賃金)にあった製品、日本でなければできない世界中が価値を認める製品を開発しなければ改善できないことを、国民が肝に銘じなければならない。
この点を踏まえた大きな意識変革がない限りは、今の過度な期待は、期待はずれに終ってしまうことは明らかだ。
貴社がターゲットにしているお客様の潜在ニーズを正確に掴むお手伝いを致します。お気軽にご依頼下さい。
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