早わかり中国特許:第18回 補正要件 第2回 (4) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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早わかり中国特許:第18回 補正要件 第2回 (4)

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早わかり中国特許

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第18回 補正要件 第2回  (4)

河野特許事務所 2012年12月5日 執筆者:弁理士 河野 英仁

(月刊ザ・ローヤーズ 2012年10月号掲載)

 

3.行政アプローチでの損害賠償請求と、3倍賠償規定の新設

 特許権侵害に対しては特許業務管理部門に対し差し止め請求を行うほか、損害賠償額については調解(調停)を申し立てることができる。しかしながら、賠償額に関する行政調停書は何ら強制執行力を有さないという問題があった。

 そこで、人民法院と同じく特許業務管理部門にも被疑侵害者に対する損害賠償の請求を命じることができるようにしたものである(改正専利法第60条)。

 

 また特許権侵害行為の抑止効果を高めるべく、米国と同じく故意侵害に対しては算定した損害額を3倍まで増額することができるようにした(改正専利法第65条第2項)。従って法改正後は損害賠償額が非常に高額となるおそれがある。

 

現行法

改正案

第60条

 特許権者の許諾を得ずにその特許を実施し、すなわち特許権を侵害し、紛争を引き起こした場合は、当事者が協議により解決する。協議を望まず又は協議が成立しないときは、特許権者又は利害関係者は人民法院に提訴することができ、また専利業務管理部門に処理を申請することができる。専利業務管理部門が処理する場合、侵害行為が成立すると認定したときは、侵害者に直ちに侵害行為を停止するよう命じることができる。当事者は不服がある場合、処理通知を受領した日から15日以内に、「中華人民共和国行政訴訟法」に基づいて人民法院に提訴することができる。侵害者が期限を経過しても提訴せず、かつ侵害行為を停止しない場合は、専利業務管理部門は人民法院に強制執行を申請することができる。専利業務管理部門は当事者の申請に基づき、特許権侵害の賠償額について調解を行うことができる。調解が成立しない場合、当事者は「中華人民共和国民事訴訟法」に基づいて人民法院に提訴することができる。

第60条

 特許権者の許諾を得ずにその特許を実施し、すなわち特許権を侵害し、紛争を引き起こした場合は、当事者が協議により解決する。協議を望まず又は協議が成立しないときは、特許権者又は利害関係者は人民法院に提訴することができ、また専利業務管理部門に処理を申請することができる。

 

 専利業務管理部門が処理する場合、侵害行為が成立すると認定したときは、侵害者に直ちに侵害行為を停止し、損害を賠償するよう命じることができる。当事者は不服がある場合、処理通知を受領した日から15日以内に、「中華人民共和国行政訴訟法」に基づいて人民法院に提訴することができる。侵害者が期限を経過しても提訴せず、かつ侵害行為を停止しない場合は、専利業務管理部門は人民法院に強制執行を申請することができる。

第65条

 特許権侵害の賠償額は、権利者が侵害により受けた実際の損失に基づいて算定する。実際の損失の算定が困難な場合には、侵害者が侵害により得た利益に基づいて算定することができる。特許権者の損失又は侵害者の得た利益の算定が困難な場合には、当該特許の実施許諾料の倍数を参酌して合理的に算定する。特許権侵害の賠償額は、特許権者が侵害行為を差止めるために支払った合理的な支出を含むべきである。

 特許権者の損失、侵害者の得た利益及び特許の実施許諾料の算定がともに困難な場合には、人民法院は特許権の種類、侵害行為の性質や情状などの要素に基づいて、1万元以上100万元以下の賠償額を決定することができる。

第65条

 特許権侵害の賠償額は、権利者が侵害により受けた実際の損失に基づいて算定する。実際の損失の算定が困難な場合には、侵害者が侵害により得た利益に基づいて算定することができる。特許権者の損失又は侵害者の得た利益の算定が困難な場合には、当該特許の実施許諾料の倍数を参酌して合理的に算定する。特許権侵害の賠償額は、特許権者が侵害行為を差止めるために支払った合理的な支出を含むべきである。

 特許権者の損失、侵害者の得た利益及び特許の実施許諾料の算定がともに困難な場合には、特許業務管理部門または人民法院は特許権の種類、侵害行為の性質や情状などの要素に基づいて、1万元以上100万元以下の賠償額を決定することができる。

 特許権を故意に侵害する行為に対しては、特許業務管理部門または人民法院は、侵害行為の情状、規模、損害結果等の要素に応じて、前2項に基づいて算定した賠償額を最高3 倍まで増額することができる。

 

(第5回へ続く)

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