ある日ある現場にて(設計事務所のグチ) - 新築工事・施工全般 - 専門家プロファイル

樅木 貞夫
有限会社修景社設計工房 代表取締役
大阪府
建築家

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閲覧数順 2016年12月09日更新

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ある日ある現場にて(設計事務所のグチ)

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1:配筋検査(コンクリートに埋まって見えなくなる鉄筋の検査)はOKでした。型枠もよし。しかしアンカーボルトがまだ固定されていない。「図面通りやっときます。」(信じていいのかな・・・。)

翌日コンクリート打ち、その朝から現場にいってチェック。アンカーボルト8箇所の位置間違いを発見。コンクリートの来る前に是正完了。現場責任者に感謝される。


2:土台のセット完了。見ると、土台パッキンがまっすぐ通っていない。現場は「まだ動きますんで大丈夫」という。アンカーボルトの下は動かんだろう。せっかく締めたボルトゆるめて、是正。(この現場、大丈夫かと危ぶみはじめる。)


3:プレカット工場に材木(集成材)入荷とのこと。工場へ材木検査。ゲ、これが化粧柱?

柱の途中に黒い線(レゾンシノールボンドのライン)が横切ってる。工場長は、「うるさいこというならやめる。」という。「これが化粧柱として通るか、常識で考えろ。」と返す。結局、化粧となる大部分の柱を取り替える。これがこのまま搬入されていたらと思う。よく加工前にチェックに出向いたものだと思う。


4:建て方完了。たる木、屋根断熱、合板貼り、屋根ルーフィングまで一気に進める。構造金物の留めピン、釘の打ち忘れチェック済みか?と問うにばっちりOKです。との回答。

鵜呑みにするわけにもいかないのでチェックする。ピンは黒い。見上げるとピンが打ち込まれているのか、黒い穴なのかわからない。うちのスタッフが、チェック道具を考える。竹さおの先にネオジウム磁石をつけて、先を近づけるとピンがあるなら、しっかりつく。

チェックの結果、ピンなし箇所これも8箇所。釘のまったく無い垂木の留め金物1箇所発見、即日是正。さらにコボットの納まりを誤り、ホールダウンパイプの破損2箇所あり。後日対策指示。詳細はここでは略します。


5:高発泡断熱材の吹き付け前にチェック。鉄筋筋交い(コボット)のナットが締まっていない。吹き付けた後では断熱材を撤去しないと締め付けできない。また、脚立にのって見ると、外壁合板の留め付けの釘が下地胴縁に命中せずはみだしている部分もある。是正指示。「やっておきます。」「あかん、すぐやってくれ。」手直し情況確認。


6:屋根頂部の換気棟の試作品確認。裏に結露防止材(ペフ)貼り付け。使用している両面テープを確認。接着力が弱いので、メーカー確認する。ペフには不適合とのこと。このままでは結露防止材が垂れてしまい、結露水が屋根裏にはいり、また、換気口も塞がる。両面テープ各種取り寄せ最終的にハイブリッドテープに決定。

7:壁合板の継ぎ材が寸法不足でへりあきが不足。釘打ったらわれている。合板はずしてやりなおし。


8:床下設備配管が、床下点検ピットを横切って、各所で通行できない。配管位置は先に指示済み。指示図を読まずに施工した様子。全てやりなおし。まったくなんでこうなる。


9:Low-Eペアガラスの裏表を間違えてる。

1階では夏は日があたらない。2階の窓は東の日が差し込む。そこで当方の指示としては 1階は内部の熱を逃がしにくいようLow-Eを内へ、2階は夏に太陽熱を入れないようLow-Eを外へ設けるものとしている。

現場へ行ってみるとガラス面に張り紙がある。「ガラス注意この面を外側にしてください。」

と書いてあるのにその面が内側をむいている。現場責任者とガラス屋に確認すると、「ガラスの刻印が正で張り紙が間違いです。」とのこと。「出荷側に確認したのですか?」「電話で確認しました。」という経過でこの件は一応終了。

やや時間がたって、疑問がわく。(刻印が正というが、どういう状態が正なのか、現場は把握しているのか?)再度質問すると、現場責任者は「ガラス専門の職人がいうんだから間違いない。」ガラス屋に質問すると、「刻印は内側のガラスに入るのが正。メーカー確認したがそのように言うてる。」

その結果として張り紙が間違いと判断したらしいが、結論は、現場判断が間違い、出荷の表示は正。よって1階のガラスは逆転必要。コーキング未施工でよかった。

参考までにLow-Eガラスの刻印は下記によっている。

室内側からみて、右下に刻印がくる。(室内から読めるようになっている)

以下の説明は蛇足だが

ペアガラスの2枚のうち、皮膜のあるLow-Eガラス側に刻印される。

Low-Eガラスの皮膜面は皮膜が傷つかないようにペアガラスの空気層側にくる。

刻印は皮膜面には施さない。

という原則によっているということ。

**************

細かいことまで書くといっぱいあるので省略します。

すべて同じ現場の出来事。

変更があっって現場が混乱したわけでもない。すべて当初予定の図面通りに進んだ現場であるし、補足のための指示書も遅れることはなかった。なぜこうも間違うのだろう。

指摘項目は瑕疵を残すことなく、無事手直しができた。心配されるといけないので建築主さんには、かかる間違いがあったことは伝えていない。現場にはペナルティとして、少々グレードアップをしてもらった。結果的にはきれいにできました。

以上、設計事務所のグチなんだが、だれかこの苦労を知ってほしくて書いたのです。


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