老人保健施設の現状③ - 各種の経営コンサルティング - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
株式会社アースソリューション 代表取締役
東京都
経営コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月04日更新

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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。

今回は、「老人保健施設の現状」の、第3回目になります。ぜひ、お読みいただければと思います。

老人保健施設には、「病院と在宅の間の中間施設」という位置づけがあるのは、以前書かせていただいた通りです。医師の指示の元、理学療法士や作業療法士等がリハビリテーションを行い、その他介護・看護を受けながら、在宅復帰を果たしましょう、という施設です。

しかし、現状はどうでしょう。在宅復帰をする目的で、皆さん老人保健施設に入所されているのでしょうか?

老人保健施設の現場をよく知る人間として言わせていただくと、入所を希望される方が、皆さん在宅復帰を目指す方々ばかりではないようです。

むしろ逆に、「諸々の事情で、在宅での生活が困難になってしまった」方が、止む無く老人保健施設入所を希望される方も、相当数いるのです。

ご承知の通り、終身施設といわれている「特別養護老人ホーム」の待機者数は、全国で約42万人いると言われています。特養に入所するには、申請をして待機するだけでは厳しく、優先ポイント(例:要介護度が高い、身寄りがない、経済的に困窮している等)が高い方が優先されると言われていますが、ベッドが空かなければ入れません。ベッドが空く時はどんな時か?それは、基本的には入所者がご逝去された時です。要は、お亡くなりにならない限り、ベッドは空かないということ。

年にわずかしか入所機会がないところに、数百人がベッドの空きを待っていらっしゃるのです。

在宅介護が困難になるという事態は、ある日突然やってくるもの。そうなった時に、特養を当てにしようとしても、不可能に等しいということになるわけです。

ではどうするか。

多くの場合、老人保健施設への入所を検討することになるのです。

2012年度の介護報酬改定により、老人保健施設の基本単位が変わりました。

厚生労働省は、ベッド稼働率を上げ、在宅復帰をより強化した老健施設に対し、報酬増という形で評価することとしました。逆に、在宅復帰強化を推進しないいわゆる「従来型」の施設に対しては、逆に報酬を下げたのです。

しかも、「在宅強化型」老健への報酬増も、非常に厳しい条件を課し、簡単には算定できない内容になっています。実際に、在宅強化型の条件を満たそうと思ったら、老健自体に入所できる方は、本当に限られてしまいます。

正直申し上げて、この施策は老健入所の現状に即しているとは、とても思えません。

もちろん、老健の目的は「在宅復帰」ですから、本来の目的をさらに明確にしたということであって、理解はできます。しかし、現状はむしろ「在宅生活が困難になったから、特養に入れるようになるまで老健でつなぐ」という利用の仕方をしている方が、非常に多いのです。

ですから、「在宅強化型」を推進することが困難な老健は、今まで以上に「ベッド稼働率」を求めてくるでしょう。要は、極力満床以上を維持し、空室をなくすというやり方です。そうしなければ、収支を合わせるのは非常に厳しくなるでしょう。

今日はここまでとさせていただきます。次回第4回をお楽しみに!!

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