- 高津 嘉邦
- 代表取締役
- 兵庫県
- 保険アドバイザー
対象:家計・ライフプラン
先日、弊社の本年度新入社員と共に、東日本大震災で被災された地域の1つである宮城県の仙台市に行ってきました。
「何をすればいいのかわからないけど、何かできることをしたい。」
震災を目の当たりにしたその日から、その想いを持ち続けてきました。
事前にいろいろと調べ、どうやら「炊き出し」という方法なら、自分たちにもできそうだし、被災者の方のためにもなるのでは、と考えて炊き出しの道具を準備。また、「泥だし」という作業や、「仮設住宅への引っ越し」という作業も自分たちにお手伝いできることだと考えたので、こうした活動を目的としました。
私たちなりに、被災地の状況を想像し、それに合ったお手伝いを、と考えていたのですが、実際に行ってみると、想像もできないような景色がそこにはありました。
私たちは、仙台市の若林区と石巻港へ行ったのですが、そこに広がっていたのは、テレビや新聞では見ることのできない360℃のパノラマ、現実の世界。その世界で、音や臭いを含め、五感で感じたことは、決して想像はできないようなもの。「震災後」という現実が、そこにはありました。
若林区に関しては瓦礫の撤去作業が比較的進んでおりましたが、石巻港はまだ現在も手つかずの状況で、津波が来たときの情景がまだそのまま残っておりました。
右を見ても、左を見ても、震災による激しい爪痕が残っており、数え切れないほどの車が転がっているという状況でした。
瓦礫を集めている場所も処々にあり、山積みにされていました。これだけの数の方々が被害に遭ったにも拘らず、再建もまだまだ進んでいないということを痛感いたしました。
色々な対応が後手になり、実際に現地に行っても、復興の進み具合の落差が激しく、まだ前を向けない状況で明日も見えないという地域はたくさんあるのだということ。 生活の再建が進んでいない状況で、経済的にも個人の生活に大打撃を追って収入が途絶えている方々が多くいるため、せめて保険だけでも迅速に支払いを行い少しでも再建の足しになればと心から切に思います。
ただ、実際にはたくさんの方々が、今回の津波被害を完全にカバーできる保険には加入しておらず、住宅ローンの2重の支払いや新しい車の確保等、苦しい状況が目の前にあるそうです。
震災から3ヵ月以上が経過し、当初は世界中の方々の興味、たくさんの方々の支援やボランティアなどに助けられてきましたが、日が経過すると共に、温度も変わってきており、人々の興味も薄れてきており、このまま忘れ去られてしまうのではないかという不安も正直ある、ということを、被災者の方からお伺いしました。
でも、 そういった苦しい状況があっても、たくさんの被災者の方々が、前向きに頑張ろうとする姿や、精いっぱいの笑顔で、日々の生活を送っており、会う人すべての方が、最後には「これに限らず、また東北の方に来てね!」とおっしゃってくださいました。
今回は、少し保険から離れたお話でしたが、皆さんに少しでもこの温度感をお伝えしたかったこと、被災地には懸命に生きている現実があることをお伝えしたく、このようなお話をさせていただきました。
私自身も、本業を通して、被災された方に何かできることはないか考えていきたいと思います。
また、今回はたまたまその地域にはいなかったが、万が一、そういったことが起こった際なるべく多くの方がしっかりとした備えを持つことができるよう、日々の仕事に精進して参りたいと考えております。
(「美楽7月号」執筆分)
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