テラーニのサンテリア幼稚園

イタリア行きの目的の一つ。テラーニのサンテリア幼稚園を見た。

冨士見幼稚園の設計の時に幼稚園と言えばサンテリア幼稚園ということで、
写真や図面を見ていたので、実物を見てみたかった。
写真はモノクロだったので、古くさい印象もあったけど、着いてみてビックリ。
どこにサンテリア幼稚園があるの？って感じ。
モノクロのイメージが勝手に増幅していて、真っ白な建物ということが頭から抜けてた。

そして幼稚園らしくカラフルな展示物がいきなり目の前にあったので、
竣工当初の1930年代の雰囲気ではなくなっているので、結びつかなかったと言うわけ。

でもまったく空間が台無しになっているわけではない。
むしろ当時はなかったであろうテント幕の日よけが、
入り口やお庭に全く違和感なく取り付けられているのも、
テラーニに敬意を表している。

ただしお庭の遊具は、今時のカラフルなものが置かれているのだけど、
既製品のせいか少し居心地悪そう。

訪れた時間は中に入れないので、
窓から怪しげなオヤジが中を覗いているという、
子供にとっては恐怖な状態になっていたはずだけど、
慣れているのか気にせずお昼を食べている。

写真で見た天井の高さが、子供がのびのびしそうな良い高さだったけど、
内部も大きく変わってる様子はない。

給食のおばちゃんも問題なさそうに働いているし、
できてから70年以上過ぎても全く普通に使われている様子。
もちろん補修をしながら使っているとは思うけれど、
外部も特に傷んでいることもなく、原型を保っているのが素晴らしい。

いま東京では保育園の現場が進んでいるけれど、
70年後使っていて欲しい。