FORM ASH+BARN倒産と住宅会社の永続性 - 新築住宅・注文住宅 - 専門家プロファイル

吉田 武志
有限会社 ヨシダクラフト 代表取締役社長
栃木県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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FORM ASH+BARN倒産と住宅会社の永続性

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東京都神宮前の工務店兼インテリアショップの

 

FORM ASH+BARN フォルムアッシュバーン(株式会社 オレンジポイント)

 

が倒産していました。

 

 

 

私が東京でのサラリーマン生活を辞めて

 

実家を注ぐことを決めた1997年当時。

 

オレンジバーンという店舗名で世田谷に店がありました。

 

知り合いのインテリアデザイナーに注目の工務店、ショップを

 

聞いて、真っ先に出てきた名前でした。

 

ブレイク寸前の頃だったと思います。

 

 

 

店舗に入りインテリアや施工写真を見せてもらうと

 

使っている素材や形が新鮮で衝撃を受けたことを思い出します。

 

 

 

今でこそ普通になった、珪藻土の壁天井とパイン材のフローリング、

 

造作建具を使ったインテリア。お風呂とキッチンもオーダー。

 

外部は、片流れの屋根に、塗り壁+木製サッシ。

 

これらの素材と形を世間に広めたのは、オレンジポイントだと思います。

 

 

 

当時私は、超高級住宅を施工する東京の老舗工務店で

 

現場監督の仕事をしていました。

 

仕事内容は、

 

殆どが、有名アトリエ設計事務所が設計した住宅の

 

施工管理をする仕事でした。

 

良い住宅を造っているという自負心がありましたが、

 

それは他人の考えた良い家でした。

 

自分で仕事を取らないと、

 

自分の考える良い家は造れないと思うようになりました。

 

 

 

 

オレンジポイントは、当時から意匠と素材の両面で個性を確立させていました。

 

町場の工務店でも、自社設計施工で

 

これだけのことが出来ると考えさせられました。

 

 

 

 

また、オーダーキッチンを普及させたのもこの会社。

 

オーダーメイドリビングキッチンというオーダーキッチン本を出版して、工務店や

 

設計事務所もオーダーキッチンが造れることを知らしめました。

 

 

 

 

オレンジポイントの経営者は、

 

泥臭いイメージのある、いわゆる「工務店」ではなく、

 

インテリアショップが住宅の新築やリフォームをやるという

 

業態(見せ方)の先駆者でした。

 

依頼した施主の方たちも、意匠や素材だけでなく

 

そのような部分に魅力を感じたのだと思います。

 

 

 

ただ、実際の住宅会社の仕事内容は泥臭く多岐にわたるもの。

 

カッコいい仕事なんて、ほぼ皆無です。

 

以前、オレンジポイントが絶好調の時に

 

web上で、現場の近隣住民から、現場と周囲の掃除もしていない

 

などと不満を書かれていたことを思い出します。

 

それも1現場だけではなかったと思います。

 

 

 

 

また、オリジナル部材を多用して家造りをするのは

 

既製品を使った家造りと比べると、

 

掛かる手間が全く違います。

 

オリジナル部材を使った家造りは、ルーティンワークがしにくいもの。

 

ですから会社を大きくする、多店舗展開するのは難しいものです。

 

 

 

web上の倒産被害者の掲示板を見ていると、

 

倒産の原因は、そのような事なのかもしれません。

 

 

リフォーム リノベーション 栃木県 ヨシダクラフト

注文住宅 栃木県 ヨシダクラフト 

 

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