バンクーバー五輪開幕と国母選手問題 - コラム - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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バンクーバー五輪開幕と国母選手問題

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バンクーバー五輪が開幕した。
日の丸を背負って闘いに挑む選手たちには、結果を恐れずに、
悔いの残らない精一杯のプレーをして欲しいものです。

ただ、手放しに期待するばかりではいられない事件も起きてしまっている。
バンクーバー入りのドレスコードに引っかかり、日本選手団の規律を乱した
とされ、出場辞退にも発展しかねない問題になってしまったスノーボード
ハーフパイプのメダル候補、国母選手の問題は、今の若者気質もあるだろうが、
自分が競技に集中できる環境を整えてくれている周囲に対する配慮の無さが
感じられた事件である。本人はかっこいいと感じての腰パンだったのだろうが、
ドレスコードは選手団として召集されている時点で通達されているはずの問題だ。
いかに日常生活で人の話を聞いていないのかがわかってしまう。

また、彼は謝罪のための記者会見で、その発言によって火に油を注いでいる。
空気が読めないのではなく、空気がわからないのだろう。
学生と接していて感じていることではあるが、最近の学生は、他人がどう
感じるのか、考えようとしないのではなく、考えることができないのだ。

これでは、どれだけ強くても世界選手権へ出場するための旅費が用意できない
選手を派遣できなかった1950年代60年代の時代の苦労が水の泡。
それだけではない。支援自体が少なく、一生懸命代表クラスがテレビに出て、
遠征費を稼ぎ、協力者を探しているマイナースポーツの選手からすれば、
彼の行動は冒涜であろう。日の丸を背負うことの意味を感じられないのであれば、
一切の支援を受けることなしに、たった一人で競技を続けるべきだ。

名プレーヤーは必ずしも名コーチにあらずとよく言われるところであるが、
このような問題を安易に起こしてしまうことを考えると、彼の引退後の人生に
不安を感じずにはいられない。たとえ金メダルを取って凱旋帰国しても、
彼の業界内での評価は変わらないだろうし、ヒールで生きていく過酷さを
覚悟の上でやった行為とは思えないだけに、彼とその周辺がどのように今後の
対応を考えていくのか、特に、彼が通学する東海大学の対応に注目したい。