中国人の夫の実家を訪ねて、感じた母の愛 - コラム - 専門家プロファイル

宮本 ゆかり
マイウェイネットワーク 
ビジネススキル講師
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中国人の夫の実家を訪ねて、感じた母の愛

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主人(中国人)と子ども達といっしょに、主人の実家を訪問してきました。

主人の実家は、あの紹興酒の産地の紹興市というところなのですが、
私達が住む上海とは違って、かなりの田舎。

住居も、上海のような近代的な感じではなく、まだまだ貧しい長屋風景も残っています。

主人の両親は二人暮らしをしているのですが、そこは今にも崩れそうな狭いオンボロアパート。

薄汚れた階段を4階まで上り、錆びた鉄格子のついた扉を開けると、懐かしい笑顔で両親が出迎えてくれました。

部屋の中は殺風景。
灰色のコンクリートの壁に、冷たい石の床。
昼間でも暗い室内。
裸電球を1つつけても、目がチカチカするほど暗い。
部屋の中には手作りの丸い木の食卓台と椅子と、ベッドとわずかな家財道具が置かれているだけ。

初めてそこを訪れた子ども達は戸惑っていました。

「ママー、ここ汚いおうち。早く帰りたい」

そう私に耳打ちする子ども達をなだめながら、私も20年前、主人と結婚前に初めてこの家に来た時は、言葉にこそ出さなかったけど、同じことを感じたな・・・と思い出していました。

今から20年以上前、主人が日本に留学していた頃、両親に買ってあげた洗濯機は、布のカバーがかけられたまま居間に置いてありました。
電気代がもったいないからと、今でも母は手で洗濯をしているのです。

コンクリートと石に囲まれた薄暗い部屋は、冬には氷が張るほど冷え込むというのに、練炭をくべた七輪だけで過ごします。

浴室などありません。

台所も、なんとか水道の蛇口が1つついているだけ。

今は昔と違って、4人の息子達も立派に所帯をもち、仕送りだってしているというのに、両親の暮らしはあの頃と何も変わっていませんでした。
唯一違ったのは、机の上にティッシュペーパーが置いてあったことぐらい。

床を張り替えるとか、壁紙を張るとか、電球を取り付けるとか・・・
今だったらそのくらいできるお金は十分あるのに・・・。

でも、両親は、子どもや孫たちのために、「無駄なお金は使いたくない」と言います。

それでも夫婦仲睦まじく肩寄せあって暮らしているのです。
これで十分幸せだといいます。

両親は文化大革命を経験し、貧乏のどん底で4人の息子を育てました。
どんなに貧しくても、人としての誇りを失わないよう、誠実と感謝をもって生きることを息子達に厳しく教えました。

息子達は、それぞれ留学し、経営者や大学教授などになりました。
それぞれの分野で貢献するよう頑張っています。


先日、両親の住むボロボロのアパートに、4人の息子達(プラス嫁と孫)が集まりました。
皆、黙って両親の話に耳を傾けています。
まるで昔のままの小さな息子のように・・・。

母は苦労して、この世に宝を残してくれました。

私にとって、母は偉大です。
私が一生かかってもたどりつくことができないほど、大きな愛に包まれています。