WBC開幕に当たり、山口投手に注目 - コラム - 専門家プロファイル

平 仁
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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WBC開幕に当たり、山口投手に注目

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今日5日、いよいよWBC東京ラウンドが開幕する。

ここまでの壮行試合では、最後の2試合で埼玉西武に破れ、巨人には
延長の末のサヨナラ勝ちと、スター軍団らしからぬ状態でしたが、
何とか連覇を達成してもらいたいものです。

チームリーダーであるイチローは、例年通り春先の調子が上がっておらず、
若干不安要素になっているようですが、前回でも予選ラウンドでは不調、
決勝ラウンドでようやく本調子を取り戻していましたから、
今回も同じような状況になるのかもしれませんね。

そういう意味では、なれないWBC公式球と球数制限の中で、
投手陣がどこまで踏ん張れるかが、東京ラウンド1位通過のキーに
なるのではないでしょうか。


今回の大会では、中継ぎ投手として生き残った山口投手に注目しています。

彼は数少ないアメリカ球界経験者で、ボールにも慣れているでしょうし、
何よりも、日本チームに欠けがちなハングリーな選手である。




4日8時5分産経新聞ネット記事はこう報じる。

ちょっと目が泳いでいた。
「オレ、ここにいていいのかな…」。
そう訴えているかのようにも見えた。
宮崎合宿を行った「侍ジャパン」のメンバー、巨人から選出された
山口鉄也投手(25)である。
「似合うよ、ジャパン」。
巨人球団関係者から声をかけられると、「そうすか」と照れた姿が初々しかった。

山口という男、経歴を振り返ると…。
3年前の2006年、第1回WBCで日本中がわいていたとき、
ひっそりとプロ入りした。
年俸240万円の“育成選手”だった。
「テストでやっと入団できて…。自分がどうするかで精いっぱいだった」
と話していた。

翌07年に支配下選手登録され1軍で2勝、昨年は貴重な中継ぎ左腕として
11勝2敗2セーブ。
新人王にも輝き、チームの優勝に貢献した。
いまや年俸は20倍近い4500万円。
“シンデレラ・ボーイ伝説”を持ってのジャパン入りである。

テスト生からの“成り上がり”といえば、楽天・野村克也監督(73)がいる。
「貧乏やった。小さいころから新聞配達したり、早く親を楽させたかった。
野球で大金を稼ぐんや、という気持ちは人一倍やったんや」。
パ・リーグ初の三冠王(1965年)に輝くなど、球界を代表する選手になった。
その根本はハングリー精神だった、という。

飽食の時代、いまどき「ハングリー精神」という言葉は死語となった
感があるが、山口はソレを持ち合わせている。
横浜商高を卒業すると単身米国へ渡った。
ダイヤモンドバックス傘下のルーキーリーグで3年間、泥まみれになった。
月給は10万円未満。
ハンバーガーだけの生活をしながら将来を夢見た。
底辺からはい上がってきた男の精神力は魅力である。

だから大きな戦力になる予感がする。
ジャパンの投手陣の多くがWBCの公式球に違和感を覚えている。
日本のボールに比べ「滑るんです」と戸惑う。
滑ることの最大の難点は制球力が効かなくなること。
緊迫した場面での微妙な制球ミスは致命的になりかねない。
WBC球はメジャー球に“酷似”している。
米国修行した山口は“自由に操る”ことができるのだ。
ここぞの場面での中継ぎの専門家だが、この経験は強みである。

ダルビッシュ有、松坂大輔、岩隈久志、杉内俊哉らの先発陣、
抑えの藤川球児…日本を代表する投手陣がズラリと並ぶが、
山口鉄也をお忘れなく…である。



多くの者は夢破れ…であるが、彼のように夢を諦めきれずに足掻き続けて、
結果的に上り詰めた者の土壇場での精神力は半端ではない。

どういう結果になろうとも、彼の投球には注目したいし、少なくとも、
選出が原さんのえこひいきではないことを証明してもらいたいですね。