KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(6)第2回 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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村田 英幸
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(弁護士)
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KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(6)第2回

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   米国特許判例紹介:KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(6)
      〜公知要素の組み合わせとMPFクレーム〜(第2回) 
   河野特許事務所 2010年1月7日 執筆者:弁理士  河野 英仁

                Fresenius USA, Inc., et al.,
              Plaintiffs- Appellants,
                 v.
               Baxter International., Inc., et al.,
               Defendants-Cross Appellants.

2.背景
 Baxter(以下、B社という)はU.S. Patent No. 5,247,434(以下、434特許という)及びU.S. Patent No. 6,284,131(以下、131特許という)を所有している。これらはタッチスクリーンユーザインターフェースが一体化された血液透析装置を開示している。

 腎臓機能が低下した場合、血液透析装置は腎臓の代わりに血中老廃物を浄化する。透析中、血液は血液透析装置により押し出されるが、これには透析液と呼ばれる老廃物を排出するための溶液が含まれる。血液透析装置には透析液の送出制御等が必要であり、また数々のパラメータが存在する。参考図1はタッチスクリーンのイメージを示す説明図である。131特許及び434特許の血液透析装置は参考図1に示すようなタッチスクリーンインタフェースを備える。



参考図1 タッチスクリーンのイメージを示す説明図


 特許出願の際、タッチスクリーンは公知であり、心肺装置等の他の医療装置に一体化されていた。しかし、タッチスクリーンは血液透析装置には一体化されていなかった。特許を具体化したB社の「システム1000」は1991年に導入され商業的成功を収めた。

 1998年Fresenius(以下、F社という)は、同じくタッチスクリーンを備える血液透析装置(以下、イ号装置という)の製造・販売を開始した。F社は2003年特許権者B社に対し、434特許及び131特許の無効、イ号装置の非侵害を求める確認訴訟を提起した。これに対しB社はF社が131特許のクレーム1-3,13-16を侵害し、434特許のクレーム26-31を侵害すると主張した。

 地裁は先行技術には131特許及び434特許のクレーム構成要件に対応する事項が開示されていないと判断し、また先行技術を組み合わせて131特許及び434特許を完成させるための動機が存在しないと判断した。

 地裁はF社の特許権侵害を認め、損害賠償額として$14,266,000(約13億円)を支払うよう命じた。さらに、地裁はeBay最高裁判決*3で判示された4要件を考慮した上で、F社に対しイ号装置の永久差し止めを命じた。F社はこれを不服としてCAFCへ控訴した。
                                   (第3回へ続く)

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