トイレ内の仕上げは、他の部屋と連続して、漆喰塗りとチークフローリング。便器はシンプルでコンパクトなタンクレスのものを採用し、小さなトイレ空間にさりげなく置かれている感じです。便器奥の片隅には、上下に細長く、トイレットペーパーや掃除道具をしまう収納を設けました。その中央に間接照明を仕込み、ちょっとした飾り棚として使えるようになっています。
さて、便器に付属するものとしてトイレ周辺に必要になってくるものが、トイレットペーパーホルダー(紙巻器)とトイレリモコンですね。クライアントが高齢である光が丘のチークハウスでは、さらに便器の腰掛けを手助けするための手摺も必要でした。
それらが便器のすぐ脇の壁の、手の届きやすい位置に集中して設置されるわけですが、高さやバランスなどを確認せず安易につけてしまうと、使いづらかったり、見た目にもうるさくなってしまいます。
たとえば写真のように、壁面に設置されるものをあらかじめ整理し、適切な位置に付けるのはもちろん、それぞれの質感を整えると、案外美しく見えたりもします。また、クライアントさんによっては「トイレリモコンが常時、壁にへばり付いているのは嫌だ」ということで、壁には固定せず、便器近くの手洗いカウンターの上に置いておくだけというようなケースもあります。
これらは工事の際、竣工間際の慌しい時期に設置されることが多く、住まい手もなかなか意識が向きにくい部分ではあるかと思います。でも、細かいところではありますが、できる限り使う人も現場で確認するようにすると、より住んでからの満足度につながるのではないでしょうか?
村上建築設計室