- 羽柴 駿
- 番町法律事務所
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
この事件で私が弁護を担当したのは、交通事故で幼稚園児を轢いて死なせてしまったF運転手(事故当時23歳)です。この事故は次のようなものでした。
F運転手は11月のある晴れた日の朝、運転する大型ダンプカーに工事現場に運ぶ砂26トンを満載し、片側二車線の交通量の多い幹線道路を西から東へ、およそ時速40キロメートルで走っていました。
F運転手が信号のある交差点の手前にさしかかったとき、子どもが一人、東側の横断歩道を渡り始め、続いてもう一人の子どもが後を追うように走り出しました。
F運転手は、一人目の子ども(A君、事故当時6歳)が走り出したのを見たときに急ブレーキをかけましたが、二人目の子ども(B君、事故当時6歳)に衝突し、轢いてしまいました。B君は救急車で運ばれましたが死亡し、F運転手は業務上過失致死の疑いでその場で逮捕されました。
この事件につき、警察の情報を基にしたと思われる新聞記事には、「幼稚園児(本件A君、B君)は横断歩道の信号が青に変わるのを確認して渡った」「交差点の66メートル手前で信号(F運転手の対面信号)が黄色に変わり、その時点でブレーキを踏めば十分とまることができたはずだ」などと書かれました。しかしF運転手の言い分はこれとは異なるものでした。
(次回へ続く)