米国:均等論陥れ防御とKSR最高裁判決後の自明性判断4 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国:均等論陥れ防御とKSR最高裁判決後の自明性判断4

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米国特許判例紹介:均等論陥れ防御とKSR最高裁判決後の自明性判断
      〜KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(5)〜(第4回) 
   河野特許事務所 2009年8月28日 執筆者:弁理士  河野 英仁

               Depuy Spine, Inc., et al.,
              Plaintiff-Cross Appellant,
                    v.
              Medtronic Sofamor Danek, Inc., et al.,
              Defendants-Appellants.

 
 3.CAFCでの争点
仮想クレームに係る発明は自明か?
 均等と判断されたイ号製品を規定する仮想クレームは以下のとおりである。

背骨部を安定させるための装置であり以下を含む、 ねじ山を切ったシャフト部(3)及び該シャフト部の先端に設けられる球形ヘッド(4)をもつスクリュー(1)と、 前記ヘッド(4)に対してフレキシブルに接続される受け部(5)と、 該受け部(5)は、ロッド(16)を受けるための2つの穴を有し、 前記受け部内に設けられる受け室(7)と、 該受け室は、その一端に、前記シャフト部を貫通させるボア(8)、及び、前記スクリュー(1)のヘッド(4)を受けるための内部窪み円錐形部(9)を有し、 前記ボア(8)に対向して設けられ、前記スクリュー(1)を導く開口(10)と、 前記ヘッド(4)が前記窪み円錐部(9)に対して押圧されるよう前記ヘッド(4)に力を働かせる圧縮部材(18)。

 クレーム1中の「球形部」と、仮想クレーム中の「円錐形部」とが相違するのみで、仮想クレームの他の構成要件はクレーム1と同一であり、仮想クレームの特定に関し当事者間での争いはない。

 被告はU.S. Patent No. 5,474,555(以下、Puno)とU.S. Patent No. 2,346,346(以下、Anderson)との組み合わせにより、仮想クレームに係る発明は自明であると主張した。Punoには圧縮部材(18)以外の全てが開示されており、Andersonには圧縮部材(18)が開示されている。CAFCでは仮想クレームに係る発明が、単なる組み合わせにより自明といえるか否かが争点となった。ここで自明であれば特許権非侵害となり、非自明であれば均等論侵害が成立する。                                                          (第5回へ続く)

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