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派遣法改正の危うさ

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徒然

派遣法改正の危うさ

環の小坂です。

薬事法改正に基づくインターネット通販をみていてもそう思うのですが、
つくづくどの政党も現場を見ていないなと感じます。

その最たる例が派遣法の改正。
各政党も色々な改正案を考えているようなのですが、
びっくりするのは「一つとしてまともな改正案がない」ということです。

**必要な改正がなく、改悪が多い。
例えば
・日雇い派遣の禁止
・登録型派遣の禁止
・2ヶ月以内の派遣の禁止
・製造業への派遣の禁止
・派遣自体の廃止
などなど。
何を考えているのかわからない改悪が各党のマニフェストに並んでいます。
派遣社員としての経験もあり、派遣社員を採用したこともある私としては
「暴論」としか思えません。

そして
・派遣社員の正社員化につながる施策は何もない。
・派遣という働き方を狭める(=正社員化を誘導する)施策は何もない。
という無為無策です。

**そもそも派遣の意義は?
そもそも派遣というのはアルバイトと同じで
「必要なときに必要な能力を持った人を必要な数集める」ためのものです。

よく批判で「企業が派遣を雇用の調整弁にしている」ということがあるようですが、
「それは当たり前」でそもそも正社員でなく、派遣を雇う理由はそこにしかありません。

そして派遣社員側は時間の制約などにより正社員という雇用ではなく、
派遣社員というスタイルを自ら選んだ人か
正社員を希望しているが能力的な問題などからやむ終えず派遣という
スタイルを選んでいるかのどちらかです。

私も起業前は起業が決まっていたこともあり、それまでの期間、派遣で働いていました。
これは希望してのことです。
そういう人にとって派遣の規制はよくありません。
私が派遣で仕事をしていた頃は規制緩和の前でしたが、今はもっと派遣というスタイルをとりやすいのでしょう。
実際今はいませんが、過去に弊社で派遣社員で来た人は、彼らがそれを望んだ結果でした。

そして後者の人は仮に派遣という制度がなくなったら失業してしまう人が多くいると思います。
派遣(=雇用調整弁)だから企業は積極的に人を派遣で雇うことが出来るわけで、
正社員だったらNGという人でも派遣では採用されることもあるでしょう。
能力・適性がなければ正社員の壁は派遣より高くなります。

ということは派遣の制度以前にこの人たちのスキルを高めることが大切です。
そういう制度はいくつかあるようですが、まだ不十分ですし、
ここにこそ予算を投じて、能力の底上げを図らなければ
「派遣規制=失業者増加」にしかなりません。

「派遣社員」=「雇用調整弁」という前提で仕組を考えることが基本だと思います。

そうしたときに、各政党の施策はおかしいことがわかります。
・長期的に雇うなら正社員でいいわけで
・短期的に人が欲しいから派遣社員なんです。
なのに「日雇い禁止」「2ヶ月以内禁止」などをやっていては派遣の意味がありません。

また、登録型にしないと派遣会社が持ちません。(仕事がないときに給料を払うのは無理でしょう)

**派遣社員の正社員化を妨げているものは何か?
短期的に派遣社員を受け入れるにしても、状況の変化などもあり、
正社員を増やしたいというときがあります。
そういうときに「正社員にしにくい」仕組にこそメスを入れるべきなのに、
どの政党もそれをマニフェストに入れていません。

つまり「そこのコストを削減」することです。

「紹介予定派遣」では、派遣社員を正社員にする際に派遣会社に
膨大な紹介料を支払う必要があります。
もちろん派遣会社もそこで収益をあげるのですから、ある程度は必要でしょうが、
例えば「1年間派遣社員を雇用した場合、その社員の正社員化には紹介料をとってはいけない」
などの制度を作ってはどうでしょうか?

結局給料も紹介料も派遣料も広い意味では「人件費」です。
紹介料が高ければその分その人に対する期待が高くなる(=障壁が高くなる)か、
その人の条件がその分悪くなるということになります。
紹介料がなければそうはなりません。

1年も派遣をすれば派遣会社の元は取れているでしょうから
紹介料を0円にすることを法制化してはどうでしょう。
野球でいう「フリーエージェント」のようなものですね。
サッカーでも「ある年代以上は移籍金0円」というのがあります。

もう一つ妨げているものは派遣社員自身の意識です。
「派遣だから」ということを言い訳にするようでは
正社員として迎いいれることは出来ません。
働き方の自由などといえるのは本の一握りの人だけで
大半の人はそんなこといっていられないわけで、
派遣社員でも正社員と同じ義務を負うことも必要です。
(派遣を選ぶ人の中には、決まった仕事以外やりたくないから
 というばかげたことを言う人もいますが、
 そういう人が正社員になれないのは当然でしょう)

**企業の人事の問題でもある。
実は派遣社員を雇うというのは必ずしもコストダウンにはなりません。
派遣会社に収益があるということはその分企業が払っているわけです。
でも派遣を依頼する理由には実は「企業の人事が楽だから」ということもあります。

これは私も派遣を雇う側としての経験があるのでわかるのですが、
・派遣会社が絞って紹介してくれるので大量の書類選考をする必要がない。
・正社員ではないので、選考も楽。(仮に合わなければ契約満了で終わればいいので)
・考える必要がない。(普通採用する場合は媒体の原稿を考えたり頭を使うことが多い)
・採用経費に関してごちゃごちゃ言う上司は多いが、
 派遣社員の人件費についてはなかなか意見を出しにくい。
などの理由で楽です。
つまり企業人事の楽楽志向が派遣制度を発展させたともいえます。
ここは企業側として反省すべきところであります。
企業人事は自ら汗を流していい人材・会社に合う人材を正社員として採用するべきなのです。

**私の考える派遣法改正の方向
長くなりましたが、
・派遣社員を正社員化する際の紹介料の廃止(例えば1年以上雇った場合)
・派遣社員への教育制度の充実
・派遣費用明細の透明化(これは今回書いていませんが)
・高等教育での派遣・正社員などの働き方の学習機会(これも割愛しています。)
・職場での派遣社員の比率制限(これは製造業では必要ではないでしょうか?)
などが本来必要なのではないかと思います。

派遣制度の廃止や縮小・規制は何の解決にもならないばかりか、
企業にとっても働く側にとっても改悪につながると思います。

誰でも正社員になれる「機会の平等」、そしてそのための「学習の場の提供」、
企業が正社員化しやすくなる「費用の低減」が必要だと思います。

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