先進医療というのはどんな治療? - 保険選び - 専門家プロファイル

釜口 博
BYSプランニング ファイナンシャルプランナー
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対象:保険設計・保険見直し

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先進医療というのはどんな治療?

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ファイナンシャル・プランナーが天職! BYSプランニングの釜口です。

今回のコラムは「先進医療」についてです。

私はテレビをほとんど見ない人なので、知らなかったのですが、最近、「先進医療」が付いた医療保険がテレビCMを賑わしているようですね!

テレビCMを見られたお客様からの問い合わせが非常に多いので、みなさんも知りたい情報ではないかと思い、今回のコラムを書かせていただきます。

「先進医療」とは厚生労働大臣が指定した現在109種類(H21年7月1日時点)の治療技術のことを言います。
どこの病院でも受けられるわけではなく、これもまた厚生労働大臣から認定を受けている施設でしか受けることはできないのです。

これだけ「先進医療」が注目される背景として、患者数も自己負担額も毎年増えてきているという現実があります。
  
平成15年と平成20年を比較しますと、
患者数は約4倍:平成15年2,292人→平成20年9,579人
自己負担額は約7倍:平成15年7億円→平成20年47.3億円
一人当たりの自己負担額は約1.5倍:平成15年30.54万円→平成20年49.38万円


一番重要な点は「先進医療」は健康保険が適用にならないことです。
つまり、治療費が非常に高くなってしまう治療法なのです。
一番安い治療で12,200円、高い治療費で300万円前後が実費となります。

「先進医療」はどんな病気の治療に使われるかと言えば、そのほとんどが「がん」に関する治療です。
※治療費では86%、患者数では68%(平成18年度厚生労働省の発表資料)

「がんの先進医療」で一番注目されている治療技術が「粒子線治療」。
では「粒子線治療」のメリットとデメリットを見ていきましょう。
  
《 メリット 》
1.痛みがない。
  患者さんはただ寝ているだけでよく、治療中は痛くも痒くもありません。
  1回の治療時間は約1分。

2.副作用や転移の可能性が低い。
  「粒子線」は放射線の一種ですが、エックス線やガンマ線などの光子線と違い、がん細胞にピンポイントに放射線を照射できるため、身体への負担が少なく社会復帰が早いと言われています。

《 デメリット 》
1.健康保険が適用外なので治療費が高い。
  「粒子線治療」には2種類あるがそれぞれの費用は以下の通り。
  重粒子線治療・・・約308万円
  陽子線治療・・・約285万円
    
2.すべてのがんの治療ができるわけではない。
  胃や大腸のがん治療には適さないのですが、これらの臓器は不規則に動くため、がん細胞にピンポイントに照射できない。
   
3.放射線が新たながんを発症させる可能性がゼロではない。
  健康な細胞ががん細胞になるまでには10年以上(20年や30年のケースもある)かかると言われています。
  平成13年から始まった陽子線治療、平成15年から始まった重粒子線治療の「粒子線治療」は、まだ治療スタートから10年経過していませんので、放射線による副作用の有無が検証されていないのが実態である。  

がん以外の「先進医療」としては、
・狭くなった血管を広げるための手術である「エキシマレーザー冠動脈形成術」・・・費用は約22.5万円
・インプラント義歯・・・約59.1万円
などがあります。

保険会社から販売されている「先進医療」に対する保険料は月々80円〜150円(保険会社や払込期間によって違う)ほどですから、できれば付けておきたい保障です。
しかし悲しいかな、どこの保険会社も特約になっていますので、「先進医療」に対する保障だけを確保することはできません。

一日5,000円や1万円などの日額保障の医療保険が基本契約となっているのが悩ましいところですし、ほとんどの保険会社で改めて新しい医療保険に加入し直ししなければいけません。

「先進医療」についてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。

以上よろしくお願いいたします。