今回のコラムは金融危機で苦しさを増す生保というテーマでコラムを書かせていただきます。
主要生保の3月決算の数字がでそろいました。
金融危機の影響で各社かなり厳しい決算になっています。
運用環境がすぐに好転するとは見込みにくく、少子高齢化により国内市場の縮小もあり、生保にとって厳しい状況は今後も続いていくと思われます。
みなさんが加入の生命保険会社の決算状況はしっかりと見ていただきたいと思います。
なぜなら、保有株式の評価損は、前期に比べ約9倍。
損失穴埋めに使われる準備金残高は前期に比べ2/3ほどまで減少。
財務内容悪化で無配になった保険会社が2社。
保険会社が破綻する最大の要因は「逆ザヤ」です。
※逆ザヤとは、実際の運用利回りが契約者に約束した利回りを下回ること。
主要生保の17社合計で前期の3倍近くに逆ザヤが拡大。
逆ザヤによる損失は他の利益で穴埋めする必要があり、収益を圧迫する要因です。
4大生保(日本、第一、明治安田、住友)は一昨年から逆ザヤを穴埋めするために準備金を積み、平成22年〜24年には逆ザヤ解消を計画していましたが、現段階では逆ザヤ解消どころではない状況。
株価下落で保有株式の評価損も膨らみ、主要生保17社合計で2兆8000億円に達し、これを穴埋めをするために準備金を取り崩した結果、
ソルベンシー・マージン比率は各社とも軒並み大幅に低下。
※ソルベンシー・マージン比率とは、大震災など予期せぬリスクに対応できる支払余力をもっているかどうかの指標。
このソルベンシー・マージン比率が600%前後まで落ち込んでいる保険会社が2社(無配になった2社と同一)。
両社とも健全性の目安と言われている200%を大幅に上回っています。
ですがこの比率はあまり信用性がないといわれています。
昨年10月に破綻した大和生命の直近の同比率が555%。
また過去に破綻した生保各社の同比率が300%以上あったという事実から考えれば一目瞭然です。
今後、生保の生き残り競争や再編機運が高くなるのは明らかです。
契約している保険会社の動向は注意して見ておいて下さい。
ご自身ではなかなか判断がつかない時は、BYSプランニングへご相談下さい。
よろしくお願いいたします。