- 岡星 竜美
- イベントコンサルタントオフィス シリウス代表、東京富士大学 教授
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:販促・プロモーション
- 山田 祐子
- (旅館・民宿プランナー)
- 山田 祐子
- (旅館・民宿プランナー)
イベント業務管理者コミュニケーションニュース Vol.19に掲載
「面白そうですね! 何かドでかいことを仕掛けているんでしょう?」
初めてお会いした人に職業を聞かれ、私が「イベントの仕事です」と答えると、こう言われることがある。もちろん間違いではないが、私の考えているイベントとは少しギャップがあり、それを説明するのに苦労する。
一般の方は、イベントとは、派手な花火をドカーン!と打ち上げ、注目や話題をつくるもの・・・と思っているようだ。かく言う私も、業界に入りたての頃は、世間を「あっ!」と言わせるイベントを手掛けたいと、野心のようなものを持っていた。
イベントは、一瞬で人々に驚きを与え、その美しさから感動を与える”花火のような”もの。でも、それだけではないはずだ。
「イベント業務管理者」資格を得て、早15年。私も、その間、さまざまな経験を積み、全国各地での体験を経て気付いてきたのは、イベントの持つ可能性。
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何も無かったお寺の境内に、ある日忽然と巨大なテントが出現し、びっくり!・・・。
これが、私が小学生の時の、イベントというものとの初めての出会い。そのテントはサーカス小屋で、中では動物のショー、バイクの曲芸などが行われ、そして、数日経つと、テントはまた忽然と消え、何事もなかったかのように静かな境内へと戻った。
イベントは、”聖なる一回性・幻の美学”などとも言われるが、その良さは残しつつ、本当の価値を、もっと引き出せないだろうか?
それは、イベントを手段として、企業に地域に日本に希望をつくるマネジメントとしての発想。イベントを核に、「実益」や「資産」を生むビジネスモデルの提案。
そのキーワードの一つが、”地産地催”(地産地消のイベント版)。
先ほどのサーカスに例えると・・・サーカスで提供される感動はそのままに、加えて、建てるテントは、その土地伝統の布で制作。そこで働くスタッフは、その土地のシニアの方を雇用。出演者とその土地の子供たちが文化交流。その土地ならではの素材や食材でグッズを共同開発し販売、イベントが終わってからも名物として売り出す・・・などなど。
イベントがやって来ることで、地域が人々が元気で潤い、希望を持てる。そんな仕組みづくりが、イベントでできる!
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花火の火の粉は地上に落ちるが、種として芽を出し、樹々として栄え、たわわな実を結ぶ。
“花火のような”イベントから、”花も実もある”イベントに。
こんなことが実現できたら、もっとイベントが世の中の役に立ち、日本を元気にでき、関わる私たちも、強い誇りを持てると思う。