子供部屋考察2 - エクステリアデザイン - 専門家プロファイル

江藤 繁
有限会社エストア 代表取締役社長
エクステリアコーディネーター

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対象:エクステリア・外構

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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子供部屋考察2

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住宅事情 子供部屋考察
子供はいずれ巣立っていくものと実感出来ると、子供部屋を取り巻く間取りの考え方が変わっていくことを
前回お話させていただきました。
このとき「夫婦の寝室が子供部屋の隣にあるのであれば夫婦の寝室自体を広くしたり、
クローゼットを広くするなど工夫を…」とお話しましたが、場合によっては子供部屋を単純に小さく
するだけであれば、坪単価の床面積が単純に小さくなるので予算の縮小も可能となるでしょう。

では、教育方針・親子のコミュニケーションの方向性に関しての子供部屋考察はどうでしょうか。
教育方針・親子のコミュニケーションの方向性は子供部屋の機能面が重要になります。

そもそも一昔前までの日本の文化には子供部屋と言う概念は一般的には浸透しておらず、
欧米からの子供教育の文化を受け入れたものと言って良いでしょう。

欧米では、子供に対して一人の人間としての人格を尊重することで、自立を促した教育方針が
昔から確立されているため、生まれて間もなく子供部屋をあてがわれ親とは別に寝ることとなります。

一方日本では、『雑魚寝』と言う言葉がある様に親子で川の字を描きながら一緒に寝る風習が一般的でした。
要するに日本人は親子の温もり(コミュニケーション)を重要視し、子供の自立よりも親子の絆の強さを
求めていた文化と言えるでしょう。

そうした日本の文化・風習に欧米の文化(子供の自立を促す。)を取り入れても基本的な文化概念が
180度違うため、曖昧な子供部屋の定義となっているように感じられます。

しかしながら徐々に欧米文化を取り込みプライベートとパブリックを尊重し、子供部屋を設置する様に
なりました。そうした流れの中で親子の絆を深める仕様の子供部屋よりも快適な子供部屋環境を求める
ことにより、昨今の教育上の諸問題が発生しているように思います。

親の目線からすると子供とのコミュニケーションは重要と痛感しているものの、子供部屋が子供にとって快適であるためにコミュニケーションの場であるリビング・ダイニングでの時間が少なくなり、
子供は早々に子供部屋に入ってしまい、テレビ・ゲーム・携帯電話に興じてしまい親子の会話が失われる結果となっているように感じます。

親子のコミュニケーション・絆を図るのであれば、子供部屋の快適性を取り除くことが必要でしょう。
また、毎日生活を営む場所としての家の構造・関係性を十分に認識し考慮することが重要だと設計の現場を
通して痛感するのです。

つづきは次回とします。