米国経済09年4月号 - 保険選び - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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米国経済09年4月号

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  1. マネー
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やさしい経済の話し 米国経済の話し

政府・FRB・財務省総がかりの経済対策


アメリカでは政府・FRB(連邦準備制度理事会)・財務省が金融危機に対してあらゆる手段を講じ、これ以上の事態の悪化を何とか食い止めようとしている。
その象徴的な出来事が、12年ぶりというFRB議長のテレビ出演である。バーナンキFRB議長は政府が一体となって機器に取り組んでいることを直接国民に訴えることによって少しでも不安心理を取り除こうとしたのである。議長は、「今は、尋常でない。だからこそ、アメリカ国民に直接話しかけるべき時機だと思う」と述べている。そして、インタビューの最後に、三つのことを国民に伝えたいと述べた。

「何よりまず、連邦準備理事会がここにいて、この回復をサポートするために可能な限りすべてのことをやろうとしていること。二番目として、金融市場と銀行が安定するまでは回復はやってこないであろうということ。我々には計画があり、問題に対応するプログラムがある。しかし、それにはちょっとした忍耐が必要であり、支援が必要であり、我々はそれを進めようとしているところだ。しかし第三の、そして最後に伝えたいことは、この経済が回復し、回復が強く、持続的であることに私自身が全幅の信頼を持っているという点だ。アメリカ国民は世界で最も生産性が高い。最良のテクノロジーを持っている。優秀な大学がある。企業家達がいる。この危機を乗り越えれば、我々の経済は再び拡大し始め、世界でも最もパワフルでダイナミックな経済であり続けることを、私は信じている」
(同じことを日本国民にも誰か言ってほしいものである)

このテレビ出演の翌日、FOMCが開催され、長期国債買い切りオペレーションを決定した。また、財務省では、不良債権処理プログラムの詳細を公表。

オバマ政権は、自動車作業部会によるGM/クライスラーの再建計画を却下、大規模金融機関による資産査定の実行など、まだ途半ばではあるが、今まで検討されてきた対応策がほぼ出揃った。
その実行効果については今後見極めていく必要があるが、少なくとも市場に対しては強いメッセージとして打ち出された。事実、株式市場は上昇に転じている。

【長期国債買い切りオペレーション】


景気後退が長引く中、大型経済対策が実施され、その財源として国債が増発される。市場では、国債増発=供給過多から長期金利が上昇し始めていた。そこで、長期金利を低位に安定させるために、今回の国債買い切りオペレーションを決定した。さらに、住宅市場の回復を狙い、住宅ローン担保証券などの買い取り枠も増額した。
1.今後6ヶ月で期間の長い国債を最大3000億ドル購入する
2.RMBS(住宅ローン担保証券)の購入枠を7500億ドル増額
3.GSE債(政府系住宅金融機関債)の購入を最大1000億ドル増額、購入規模を最大2000億ドルとする

【不良債権買取プログラム】


金融機関が抱える不良債権を買い取る「官民投資プログラム」を発表。
財務省が最大1000億ドルを拠出、民間資金や政府保証ローンなどと合わせて、最大1兆ドルの不良債権を買い取るプログラム。

今年1月にIMF(国際通貨基金)が公表した試算によると、世界全体の金融機関の損失総額は2.2兆ドル。そのうち約1.3兆ドルはすでに処理されているといわれており、今後の処理額は世界全体で約0.9兆ドルとなる。米国だけを見るとそれよりも小さくなるので、今回の1兆ドルのプログラムは米国の金融機関の処理額を上回ると見られかなり有効な手段といえる。

プログラムの内容は、民間の投資家にとってはかなり有利な内容となっている。投資に際しては、自己資金に加えて、同額の政府からの拠出金と財務省やFDIC(預金保険機構)からの保証や融資が得られ、ローン債権買取の場合は最大で自己資本の14倍まで、証券化商品の場合は最大4倍までの投資が行なえるというものである。さらに、財務省やFDICから受ける融資は、損失が借り手に波及しないノンリコース・ローンとなっており、投資家の損失は最大でも自己資本の金額に限られるというものである。

いくつかの経済指標に底打ち感が・・・


さて、足元の米国経済であるが、3月に発表された経済指標ではいくつか明るい材料が出てきている。
2月の住宅着工戸数、新築住宅販売共に前月比で増加に転じた。耐久財受注も大方の予想に反して前月比+3.4%と増加。さらに景気全体の動向を占う上で注目されているISM製造業景況感指数も2ヶ月連続で上昇した。

【住宅市場】
新規受託販売は2月年率33.7万件で前月比+4.7%と小幅ながら増加した。また、2月の中古住宅販売は年率472万件の前月比+5.1%とこちらも増加。一方、2月の住宅着工件数は年率で58.3万件で前月比+22.2%の増加となった。販売・着工件数共に前月比増加したことから明るさが見えてきた。

【ISM指数】
企業の景況感を示すISM(米供給管理協会)指数は、製造業景況感指数が前月比+0.5%の36.3%と3ヶ月連続で上昇した。水準としては、景況判断の節目である50%を14ヶ月連続で下回る低い水準ではあるが、底打ち感が出始めているようである。

【雇用統計】
3月の非農業部門雇用者数は前月比▲66.3万人と4ヶ月連続で60万人を超える雇用削減となった。失業率は8.5%と前月の8.1%から0.4%上昇し、1983年11月以来の高水準となった。ここ5ヶ月の業種別の雇用動向を見ると、製造業が合計▲89.3万人、建設業▲59.3万人、人材派遣業▲40.2万人、合わせて▲188.8万人と非農業部門雇用者数全体の6割の削減幅となっている。

【その他】
2月の小売売上高は前月比▲0.1%とほぼ横ばい。1月の輸出・輸入は前月比▲5.7%と▲6.7%と引き続き減少傾向にある。