飯塚の伊藤伝右衛門邸の長屋門は、
福岡天神にあった別邸「銅御殿(あかがねごてん)」が焼失し、
焼け残った門を移転したものです。
欅の材を贅沢に使った荘厳な構えではありますが、
大屋根の梁の白く胡粉で塗った小口(先端)が際立ち、
奥行き感じさせながら、曲面の出格子も相まって優しさも感じます。
曲線を随所に用い、堅いケヤキ材での難しい細工、
「折曲出格子」の格子を貫く二本の貫など、
当時の職人の技術の高さを垣間見れます。
他に別邸は別府にあり、この「銅御殿」も後に「ホテル銅御殿」として
昭和54年まで営業していたそうです。
その中でも、「三邸宅の遺構を見る事ができるのは長屋門だけです。」と
案内の人がボタ山の位置が知りたい僕を、近くの案内板まで歩きながら
丁寧に説明をしてくれました。
「歩いてるこの道が旧長崎街道でシュガーロードと呼ばれています。」とも。
南蛮からの砂糖を運び、龍馬もここを通った道か〜と思いを馳せました。
ボタ山の位置を教えて貰いましたが、走ってきたばかりの道を、
また戻るのかと思えば、躊躇します。
次回にしようと断念しました。
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このコラムの執筆専門家
- 中村勝己
- (広島県 / 建築家)
- 中村勝己建築設計事務所
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