KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか(4)(第3回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
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KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか(4)(第3回)

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KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(4)(第3回)
〜阻害要因(Teach Away)があれば自明でない〜  
河野特許事務所
米国特許判例紹介
Andersen Corp.,
Plaintiff-Appellant,
v.
Pella Corp. et al.,
Defendant-Appellee.
                       
                       2009年1月23日 弁理士 河野 英仁
                
 
Pellaにより製造・販売されている防虫網は、VividView(登録商標)である。原告はPella及びその供給業者であるGore(以下、被告という)を特許権侵害であるとしてミネソタ州連邦地方裁判所に訴えた。

 地裁は、自明性の審理において、図2に示す如く、612特許のクレームは、訴外TWPにより製造された電磁遮蔽メッシュ(以下、TWPメッシュという)と、特開平09-195646号公報*5(以下、646公報という)との組み合わせにより自明であると判断した。646公報は、反射を防止するために、黒色に帯色した網戸を開示している。TWPメッシュ及び646公報は双方ともUSPTOにおける審査において引用されたものであるが、出願人は、窓ユニット用の通気できる防虫網であることを限定する補正により、当該拒絶理由を解消し特許を取得した。

646公報の窓枠用防虫網 + TWPメッシュ

図2 組み合わせを示す説明図

 地裁は、KSR判決のもと、厳格なアプローチを拒絶し、「一般常識」を用いる広範で柔軟なアプローチに基づき自明性を判断した。地裁は、出願前にインターネットで利用可能であった「TWPメッシュ」を、「窓枠」に単純に取り付けたに過ぎず、自明であると判断した。さらに2次的考察を考慮してもこの一応の自明性(prima facie of obviousness)を覆すことはできないと結論づけた。

 原告はこれを不服としてCAFCに控訴した。


3.CAFCでの争点
組み合わせに阻害要因があるか否か?
612特許は窓枠にインターネットで入手可能なTWPメッシュを組み合わせて防虫網としたものである。 防虫網を設計する当事者が、視認性を低減する防虫網を製造する場合に、最適な材料としてTWPメッシュを採用するか否かが争点となった。

(第4回につづく)
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