- 加藤 惠子
- 株式会社ケイプラネット 代表取締役
- ファイナンシャルプランナー
対象:保険設計・保険見直し
でも、今、以前より年齢が高くなっているにもかかわらず、加入し直した方が保険料が安くなるケースがふえています。何故でしょうか?それはどんな場合でしょうか?
昨年、予定死亡率が下がったため、死亡保険の保険料が下がりました。
保険料は、予定利率、予定事業比率、予定死亡率の設定により決まってきます。
「予定利率」とは、保険会社が保険金や解約返戻金などを支払うために積立・運用する時の、契約者に約束した利率です。その分、保険料を割り引くので「割引利率」とも言います。当然、割引利率が上がれば保険料は下がり、割引利率が下がれば保険料は上がります。
「予定事業比率」とは、保険会社の経費をどの位見込むかの利率で、この経費の比率が上がれば保険料は上がり、下がれば保険料は下がります。
「予定死亡率」は、1年間に各年齢の人が平均どのくらい亡くなるかの予想比率で、死亡率が上がれば保険会社の支払いが多くなるので保険料は上がり、死亡率が下がれば保険会社の支払いは減るので保険料は下がります。この予定死亡率は、「生命表」を利用していますが、保険会社が利用しているのは「生保標準生命表」です。この「生保標準生命表」の改訂が、昨年11年ぶりにあり、その結果死亡率が下がり、そのため死亡保険の保険料が下がったのです。特に、男性の保険料が顕著に下がりました。
非喫煙型の保険を利用することにより、保険料が下がります。
統計によると、タバコを吸う人と吸わない人では、明らかに死亡率が違います。このため、タバコを吸わない人に対しては保険料を下げる保険商品を利用することによって、保険料を通常より下げることができます。「非喫煙型」の商品は、以前は一部の会社だけが扱っていましたが、今は、かなり増えています。加入した当時はなかった商品が今はあるのです。今加入している保険が「非喫煙型」ではなく、かつ、タバコを吸わないのであれば、加入し直すことにより保険料を安くすることができるかもしれません。
商品の多様化や険会社の価格競争があります。
保険料は、上記で説明させていただいたように3つの基礎率によって決まってきますが、それでも、保険会社によって、条件が同じであってもかなり違います。終身保険ひとつとっても、変額タイプは安く、又、定額型であっても、解約返戻金を一定期間少なくすることによって保険料を安くすることができます。利率も違います。定期保険でも、解約返戻金を全くなくしてしまうタイプや、保険金を分割で受け取るタイプにすることにより安くすることができます。
更に、年齢や男性・女性で保険料に差をつけている保険会社の商品を選ぶことにより、保険料を下げることができます。
又、保険会社同士の価格競争もあります。いろいろ比較してみる価値はあると思います。
このように、今の契約を見直すことにより、保険料を下げたり、内容もより自分にあったものにすることができるかもしれません。一方、見直した結果、現状のままがいい場合もあります。その時には今の契約を大事に続けましょう。見直しが必要となった場合、加入し直すためには必ず健康状態を問われますので、解約は、新たに加入したい契約が成立してからにします。又、解約をせず、払済保険にして契約を残す選択もありますので、見直しに際してはプロのアドバイスを受けるようにしましょう。