米国特許判例:均等侵害と故意侵害(第2回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許判例:均等侵害と故意侵害(第2回)

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米国特許判例紹介:均等侵害と故意侵害(第2回) 
〜心臓用カテーテルの均等判断〜

       Jan K. Voda, M.D.,
         Plaintiff-Cross Appellant,
         v.
         Cordis Corp.,
      Defendant-Appellant.

河野特許事務所 執筆者 弁理士 河野英仁 2008年10月28日


2.背景
 Voda(以下、原告)はU.S. Patent No. 5,445,625(以下、625特許)、6,083,213(以下、213特許)及び6,475,195(以下、195特許)を所有している。これらは心臓に挿入されるカテーテルに係る特許である。



図1 625特許のカテーテルを示す説明図

 図1は625特許のカテーテルを示す説明図である。カテーテル36は直線部38、第2直線部40、曲線部42、直線部44及び先端部46により構成される。カテーテル36は、プラスチック等が用いられ、図1のFig.2Aに示す如く、先端の一部が側面視において円を描くよう形成されている。

 カテーテル36内部にはワイヤが挿入される。ワイヤを挿入した状態でカテーテル36をシステム22内部へ突入させる。

 カテーテル36は大動脈24を通過し、最終的にカテーテル36の先端部46は左心臓動脈30の心門前に達する。カテーテル36をシステム22内に挿入した後、ワイヤは引き抜かれる。



図2 先行技術のカテーテル36を示す説明図

 図2は先行技術のカテーテルを示す説明図である。先行技術のカテーテルは直線部14と曲線部16とが鋭角に接続される。このため、カテーテルの先端を左主心臓動脈30の心門に正しく位置決めすることができないという問題があった。

 これに対し625特許のカテーテル36は図1に示す如く、第2直線部40が設けられており、この第2直線部40の大部分が動脈内壁に接することになる。これにより、直線部44の先端に設けられる先端部46を左主心臓動脈30の心門に正しく位置決めすることができる。

 Cordis(以下、被告)は同様のカテーテルを製造及び販売している。被告は、原告の特許が成立する前に、特許侵害を回避すべく一部を改変した上で、XB(extra backup)カテーテルを製造及び販売した。

 原告は、被告のXBカテーテルが625特許等を侵害するとして、オクラホマ州連邦地方裁判所に提訴した。地裁は均等論を適用して625特許の故意侵害を認めた。被告はこれを不服としてCAFCへ控訴した。(第3回につづく)
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