- 川尻 秀道
- ラウンジグループ株式会社 代表取締役兼CEO
- 東京都
- MBA留学と起業のプロ
MBA出願に必要なもののひとつに、上司の推薦状があります。多くの出願者の方は、このような上司の推薦状を過去に書いてもらった経験もなければ、上司自身も自分の部下の推薦状を書くという経験はあまりしてないかと思います。
しかしながら、上司の推薦状はビジネススクールの審査官にとって、出願者が職場でどのような人物であるかを知るための重要な書類の1つです。推薦状で足を引っ張られることがないように充分な準備と対策が必要になってきます。
今回はいかにして戦略的な推薦状を準備するかについて考えてみます。
◆上司の推薦状を依頼する時の対策。
1.上司に丸投げしない。
上司の推薦文と言うと、上司に「自分を推薦するレターを書いてください。」と言うだけで丸投げしてしまっているイメージを持つ人もおられます。しかし、それでは戦略的な推薦状を書くことができません。
第一、いきなり部下に自分を推薦する文章を書いてくれ、といっても困ってしまうことでしょう。出願者自身も戦略的に書いてもらいたい内容等を用意するとともに、なぜ自分がMBAを取得したいとか、将来のキャリアはどのように考えているのか、などを上司としっかり話し合って自分を上司に理解してもらうことが必要になってきます。
上司に丸投げしても決して良い推薦状が出来ない事を理解しておく必要があります。
2.リーダーシップ能力を示す内容を強調する。
上司に推薦状を依頼するときは、できるだけ詳しい資料を用意して、上司に説明することが必要です。自分がその会社で残した「実績」を数字で詳しく示した職務経歴書を事前に準備しておき、上司に資料として渡しておくようにしましょう。
その中で大切なのは、リーダーシップ能力を示すした経験を強調して入れておくことです。なぜなら、多くのビジネススクールでは、出願者のリーダーシップく能力を示す経験を知りたがっているケースが多いためです。
ビジネススクールは将来の経営者を育成する短期合宿のような場所ですので、ある程度のリーダーシップ能力を持った学生を入学させたいと思っているのです。また、ビジネススクールでは、あらゆる国のあらゆる業界からの学生が集まることになります。一人ひとりがその国、その業界の代表者としてクラスメートとディスカッションをしたりグループワークをしたりすることになるのです。
MBAの学生はビジネススクールにおいてone of themではなく、全員が代表者です。ですので、ビジネススクール側にとっては、それぞれが他者をけん引できるような優れたリーダーシップを持った学生を求めているのです。
そのため、上司にリーダーシップ能力を示した実績や経験を書いてもらうことは、とても大切なのです。
3.正しい人に頼む。
上司の推薦状といっても、上司ならだれでもいいというわけではありません。さすがに、あなたを評価してないことが明確な上司に頼む人はいないとは思います。あなたをよく知っている人、あなたをよく理解してくれている上司に頼むことが必要です。
上司といっても直属の上司である必要はなく上司の上司でもいいのです。または上司と部下としての関係が数ヶ月であっても、自分を理解してくれている上司であれば問題はありません。
自分の能力を十分に意識理解してくれている上司、自分のMBAのに対する情熱をしっかりと理解してくれている上司に頼むことが大切です。
中には会社には秘密にしてMBA出願の準備をしているため、上司に依頼することができないという人もいるでしょう。その場合は前の会社の上司や取引先である程度の役職を持っている人でも問題は無いはずです。(念のため志望するビジネススクールに確認はしておいてください。)
そのような人たちであっても、依頼する内容は同じです。自分がいかに業務において高いパフォーマンスを見せたのかを説明し、リーダーシップを重視するような内容に仕上げてもらうことが大切です。
4.依頼は余裕を持って。
上司に推薦文を頼む時は時間に余裕を持って頼みましょう 。少なくとも1ヶ月位の余裕は持っておきたいところです。
部下の推薦文を書くことに慣れている上司はそれほど多くはいないはずです。 2,3日後に仕上げてくれと言っても上司も慌ててしまい、何を書いたらいいか分からず戸惑ってしまうでしょう。上司としっかりと打ち合わせする期間も含め、期限の1ヶ月位前には頼んでおくことが必要です。
5.翻訳は専門家に依頼する。
MBA留学の場合、推薦文は英文のものを提出する必要があります。上司が英語に堪能で、直接英語で推薦状をかけるのであれば問題ありませんが、日本語で推薦文を書く場合は、その翻訳は専門家に依頼しましょう。自分で翻訳して費用を節約したい気持ちも分からなくもありませんが、それはオフィシャルな翻訳として認められません。専門家に依頼した時は、翻訳証明書も忘れずにもらうようにしましょう。
◆まとめ
上司の推薦状は、あなたの会社でのパフォーマンスをビジネススクールに示す重要なものです。ビジネススクール側が求めるあなたの姿をしっかりと反映できるように、あなたと上司とで戦略的な推薦状を書くようにしていく必要があります。
1.上司に丸投げはしない。
2.リーダーシップ能力を示す経験を重視する
3.正しい人に頼む。
4.1ヶ月は余裕を持って依頼をする。
5.翻訳は専門家に依頼する。
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