- 中山 秀樹
- 株式会社 中山秀樹建築デザイン事務所 代表取締役
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
ちょっと前に断捨離(だんしゃり)なんて言葉が流行りました。
あっ今でもありますね。
片づけるという行為から自分の人生観も見直し、整理するということでしょうか。
個人的に嫌いな言葉ではありません。
できればかくありたいものです。
言わずもがなですが、自分も含めて今の人たちの周りは物が溢れすぎていると思います。
そこで断捨離です。(ここでは単純に物の整理だけのことでお話しします。)
でも・・・ご家族でこれって結構難しいんですよ。
と言いますのもそもそも断捨離の温度差があるのです。
奥さん、ご主人、子供たち、おじいちゃんおばあちゃん・・・
ほぼほぼストイックさの度合いが違います。
となるとそう簡単に”断捨離”できないわけで・・・
一番ストイックな方が一番気の毒な思いをされるわけです。
やはり、家の中には収納は必要です。
物をためましょうと言ってはおりませんが、ある程度、今までのような収納量は必要になってくるわけです。
私は普段はできる限り玄関にはシュークロゼット、キッチンにはパントリー、
寝室にはウォークインクロゼットを設計します。
雑多に物がしまえて重宝しますし、これらを設計して文句を言われたことはありません。
むしろ膨大な収納量に喜ばれるくらいです。
ただ・・・一部の方はここから溢れちゃうんですね。収納量が少ないのではなく後から増えちゃうんです。
便利に感けてしまうんでしょうね。
そこでちょっと面白い試みをしてみました。
先日設計しましたフルリフォームではその収納から扉を外してみました。
すると、見られてしまうという気持ちから整理されるようになります。
でも収納量は変わりませんから抜群です。
(お断りしておきますが写真の建主が物で溢れているわけではありません)
自然と断捨離ができるようになるのですね。
人に見られるのが嫌!!という方もいらっしゃると思いますが、
立ち止まってまじまじと見る方はそうはいません。
素通りすると中に何があるかなんてほとんど分かりませんし、
カゴや引き出しに入れてしまえば全然わかりません。
逆にメリットとして扉の分コストダウンになります。また視線が適度に抜けますから開放感が出ます。
とまあいい意味での副作用がいろいろ出てきます。
試すのに勇気が要るとお思いかもしれませんが、もし気に入らなければあとから扉を付けることは容易です。
扉の大きさだけ開口を開けておけば後は扉を設置するだけで余計な解体工事など発生しません。
まずは、お試しあれ。
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