自死遺族の手記1 ~弟を自死でなくしたNさん~ - コラム - 専門家プロファイル

フィールマインド 代表カウンセラー
東京都
心理カウンセラー
090-5606-6857
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

自死遺族の手記1 ~弟を自死でなくしたNさん~

- good

自死遺族の手記 弟を自死でなくしたNさん

現在我が国では毎年約3万人の方が自死しています。
私はボランティアで活動していた自殺予防電話の相談員、現在は「自死遺族・関係者が届ける心の支援 任意団体ハートストレングス」のカウンセリング責任者として多くの自死遺族の方、そして自殺を考えている方のご相談にのらせていただいています。

人が生きるってなんだろう、どうして人は生きなければならないのか・・・
カウンセリングをさせていただいた後、いつも考えます。
「僕はあなたを失って、生き続けることがこんなにも辛いのだと思い知った。だとしたら生き続けることができかったあなたの苦しみはいかほどだったのか、と思う」
家族を自死で失った方の手記で今でも心に残っている一文です。

これから何回かにわたって、自死遺族の方のご協力を得て手記を掲載していきたいと思います。
生きるとは何なのか、自死はいけないことなのか・・・
手記の中から「命」について、そして人の心に思いを馳せるという意味について、考えていただきたいと思います。

<弟さんを2010年10月に自死でなくしたNさんの手記 その1>
執筆:2011年5月

去年(2010年)の10月に弟が自殺した。
原因は様々な要因があるので、どれがどれとは言えないし、本人しかわからない。
弟は昔から真面目で、何かにつけて自分を責めるタイプだった。
私は弟とまったくの逆で、自分を守り人を攻めるタイプだったので、
そんな真面目な弟を私はいつも不器用と言っていた。
そんな弟から 「助けて」と死の前日メールがあった。

すぐに家に駆けつけてみると仕事が無くなり、家もなくなり行き着くところが無くなったようだった。
いつも弟に甘いと周りに怒られていた私は、今回は怒っておこうと「何故仕事を辞めたのか。自分が悪いじゃないか」と猛烈に怒った。

次の日、弟から 「全てが終わった」とメールが来た。
また、なんか悩んでいるのか。と思い「自分が悪いからこうなったんだ」とメールをつき返した。

次に私に来た電話は、半日後の警察からの遺体発見電話だった。
警察から遺品としてもらった携帯電話を見たところ、私からのメールを開封し、覚悟を決めて首を吊ったようだった。

死亡推定時刻はメール開封後30分。
「お前と一緒に兄弟で会社を作ろう!」
「俺はどうなってもいいから、お前だけは幸せになってくれ。」
「何でもしてあげるからとにかく楽しい人生を送れよ!」
「お兄ちゃん 来月結婚することにしたんだ」
「お兄ちゃん 今の仕事は向いてないから転職しようと思うんだ」
何度も何度も人生を語り合った弟の人生はあの一本の電話で幕を閉じた。

弟の死の知らせが警察からあり、親父に連絡をした。
あれほど電話をするのが辛かった事はない。
親父に電話で伝えた瞬間、「え!!」という声とともに電話が切れた。
誰かといたから離れる為に電話を切ったのか、ショックで切ってしまったのか、今も分からない。もう一度電話をし、「大丈夫?」と聞くと、「あぁ大丈夫だ」と答えた。
すぐ冷静になってくれた。
警察から連絡があったことをすべて伝え、あとは警察と親父がやりとりをしてくれ、と伝えた。
親父が「母親に伝えたのか?」と言って来たので「俺からは伝えられないから親父がやってくれ」と言って電話を切った。

それからは、頭の回線がイカれたのか、状況が理解できないのか、自分の友達に、なぜか陽気になりながら、弟の死を伝えた。
しかし心臓はバクバクいって、体中冷や汗が出ている。
あれは一体なんだろう。
おそらく自分を守るため、脳みそからそういう分泌物が出るのだろうか。
心の制御が上手くいかないため、一種の錯乱状態になったのであろう。
妙にハイテンションになっていた。

いまだに母親に言われる。
「あなたが家に来たとき、笑いながら来たから、何で!!!」って怒りがこみ上げたと。

まぁいまだに私は状況がわからず、明日にも、いや、今夜にも弟から電話があると思ってるが。。

電話があって、すぐ近くのいきつけの神社で1時間ほど考え事をし、家に帰り、用意をしてから実家に向かった。

※この記事の補足について、私のブログに掲載させていただきました。よろしかったらブログもご覧ください。
http://ameblo.jp/r-kohinata/entry-11766589372.html

 


 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 心理カウンセラー)
フィールマインド 代表カウンセラー

感情を否定せず、まず寄り添うこと、を理念としています。

正社員をしながらボランティアの電話相談員をしていました。「どんな電話も切らない」理念の中で恋愛、自死、癖、愚痴、色々な話を聴かせて頂きました。資格取得後はハラスメント相談員を経て現職。相談件数は2200件を超えます。悩みに大小はありません。

090-5606-6857
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「自死遺族の手記」のコラム

このコラムに類似したコラム

熊本地震ボランティア 下山 智子 - パソコン絵画電彩アート認定講師(2016/05/09 16:45)

第893号:オリジナル1つと成功者の徹底模倣 小笠原 宏之 - ITコンサルタント(2013/08/30 07:45)

第827号:変わる為には何かを止める 小笠原 宏之 - ITコンサルタント(2013/05/28 07:36)

震災から2年 上原 愛子 - 婚活アドバイザー(2013/03/11 22:57)

第655号:コンピュータと主従逆転の日 小笠原 宏之 - ITコンサルタント(2012/09/10 07:28)